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予備検査は謎解きゲーム

おつかれさまです。修理品をお預かりした際に先ず実施するのが現状把握です。どんな故障なのか、何が原因なのか、ダメージはどこまで及んでいるか、どこを対策すべきか...この判断によって修理方針が決まる訳で非常に重要なプロセスです。この段階でミスジャッジが起こるとどれだけ工数を掛けても、どれだけパーツを交換しても徒労に終わってしまいます。

今日ご紹介するのはSV-8800SE / KT120仕様の事例です。
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本事例では外観の明示的な変化があります。一番左のKT120が白化して管内に空気が混入していることが誰の目にも明らかです。
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見事に噴死しています。管内の空気混入はベース / ガラス接合部の物理的劣化か電気的異常のいずれかですが多くは後者です。事例的には何らかの理由で暴走が起こり、過電流状態が一定時間継続した結果、過熱状態になりガラスにクラックが入ったか、接合面が溶融したかのいずれかです。恐らくこうなる前にKT120のプレートは真っ赤に赤熱したことでしょう。

裏蓋をあけて内部を確認していきます。
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スクリーングリッド抵抗が焼損しておりパスコンの防爆弁が開きかかっています。何らかの理由でKT120の動作が不安定となり発振状態となってIpの暴走が起こった結果、パスコンの耐圧を超えた電流が流れたものでしょう。
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電源基板ではB1→B2 / B3のデカップリング抵抗にも過熱様相が確認できます。ガラスエポキシの基板の一部が炭化しかかっていますので、相当の過熱が起こったものと想像できます。よく見ると平滑部の電解コンデンサーの頭が膨らんでいますので、本事例はKT120の暴走を出自とした電流的故障と判断されます。

具体的着手はこれからですが、まずダメージを受けたパーツと真空管の交換をしたうえで仮通電を行い、各部電圧, 波形, 特性を総合的に監視しつつ長時間エージングしていきます。仮にこの段階で現象が再発すれば、原点に立ち返って真因を検証していきますが、20時間程度安定するようであれば真空管の劣化が原因であったと強く推定されますので完了として問題ないでしょう。

アンプの修理は謎解きゲーム。原因と結果には必ず因果関係がありますので、そのロジックを紐解けるかどうかが鍵です。手を出す前に頭のなかで周到なシミュレーションを行うことが非常に重要なプロセスといえる訳ですね。安易な予断は禁物です。

by audiokaleidoscope | 2026-04-29 22:30 | オーディオ

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