今日はまずSV-S1616D / 多極管仕様の橋本化案件から。

SV-S1616D 橋本バージョン (組立代行品)
Mullard M8136, Mullard CV4003, Telefunken EL34♢, Mullard GZ34, Arizona Cap.
今回お預かりしたのは標準トランスから橋本トランスに替えるという目的でした。時々お客さんから出力トランス交換に関するお問い合わせを頂きますが、真空管アンプにとっての出力トランスは車にとってのエンジンのようなもので、単にポンと置き換えが出来るような簡単なものではありません。

作業完了後の内部
今回の事例でいえば標準トランスの一次側インピーダンス5kであるのに対し、橋本H20-3.5Uは3.5k。その他全てのパラメータが異なると言ってもよいほどの違いがありますので、これを単純にリプレイスしてもアンプが発振して壊れる公算大です。回路側定数も含め全体のバランスを最適化する必要があります。
結果的に二次8Ωタップ→16Ω負荷, 4Ωタップ→8Ω負荷として、見かけ上の一次側インピーダンス=7kΩ等価の動作として定格出力を確保しました。またスピーカーの高域インピーダンス上昇による不安定化を回避するため、二次側にZobelフィルターを挿入し安定化を図っています。これらは実際に動作させながらアンプの挙動を測定しつつ行う必要があるため、非常に工数が掛かりましたが、満足する結果が得られて良かったです。

周波数特性 (最終)
つづいては最後の一台のSV-310EQです。

SV-310EQ 最終個体 / PSVANE WE仕様 (完成品)

昨年4月末のご案内以降、ひとつ、またひとつと完売が続いていくなかで、個人的にも非常に愛着の深かったSV-310EQがこの機台を以て完売というのは万感迫る感じです。恐らく今後、市場流通価格が上がっていくことが間違いない製品の一つだと思われますので、末永くご愛用頂ければと思っています。