今日は極上入荷品と超難関メインテナンスの2台についてレポートします。まずはSV-8800SE / KT150仕様から。


SV-8800SE 完成品中古 / Mullard CV4003, Brimar CV4068, Tung Sol KT150, JENSEN Cap.仕様
久しぶりの8800SEですし、このクラスの品物はなかなか入荷しませんが、幸い買取りが成立したので3月の認定中古でご案内できるように完全整備を予定しています。詳しくは改めてお知らせしますので、どうぞお楽しみに。
続いては難関メインテナンスが完了したSV-A2。C to Cで入手された複数オーナー品です。本来の手順とは異なり売主さんから品物が直接届いて、メンテ完了したら買主さんにお送りという方法です。このままではジャンク扱いで廃棄される公算が高い製品を可能な限り復旧して使える状態に戻すのも私どもの責務のひとつと考え、お受けすることにしました。
概ね予想はしていたものの、現品はお世辞にも良い状態とはいえませんでした、アームは二本ともリードがズタズタ。モーターはヨレヨレ, アクリルカバーはバリバリという状態。かなり大変でしたが、可能な限りのレストアができたのではないかと思っています。

かなり時間をかけて復活を遂げたSV-A2。ここまで来るまで多くの時間と部品が必要でした。

入荷時のアームリード。見事に引きちぎれています。ストレートアームあるあると言ってしまえばそれまでですが、これでは買った方は何もできません。

結果的にアームは2本とも新品交換以外に方法がないと判断しました。アナログプレーヤーはオーディオ機器のなかでも最もデリケートですから、買主さんには丁寧に扱って頂いて再発を防止頂きたいと思います。

アーム交換後はプラッターの回転の確認。リン青銅の軸受けの内部はスラッジでドロドロでしたので精密機械用の特殊綿棒で汚れを丹念に拭き取り、低粘度のスピンドルオイル (ISO VG22)を塗布して滑らかな回転が復活しました。

続いてはモーターの確認に入ります。DCモーターで重要な供給電圧を一定にすることでトルク,速度の安定に重要な役割を果たすレギュレーターが劣化していたので、基板自体を交換し回転数のドリフトを大幅に抑えることが出来ました。

モーターメンテ後の動作確認をしているところです。

これが実測値。駆動源であるモーターの安定度とプラッターの回転の滑らかさが両立していることが確認出来ました。

あとはベースの打痕や塗装の剥離を可能な限り修正していきます。新品同様とまでは言えませんは、機能的には十分なレベルまで復旧できたと自負しています。

写真では分かりませんが、アクリルカバーは何箇所か大きな亀裂が入っていて接着剤による修復痕が目立ちましたので、出来るだけ目立たないようにクリーニングを実施すし、全体をアルコール消毒して作業完了とさせて頂きました。これから週末にかけて連続で回しっぱなしにして問題なきことを確認できれば買主さんに完了報告する予定です。
今回、作業しながらいろいろな想いが去来しました。自分が知らないだけで多分似たような状態の製品が世の中には沢山眠っているものと想像します。たった一台直して何かが達成される訳ではありませんが、結局のところ一台づつ、地道にこつこつ積み上げていくほかないのだろうと思います。