月末までに間に合わせたい案件が山盛りで今日も半徹夜。他にも試聴の対応や納品, 会議などでスケジュールは真っ赤っかなので結構たいへん (毎年年度末に近づいてくるとこんな感じ)ですが、品質優先で頑張っているところです。
今日は認定中古の後変作業が中心。まずご紹介するのはSV-91Bです。

SV-91B 前期 高槻TA-300B仕様
もともとPrime 300B ver.2仕様で出品させていただいた個体を高槻300B仕様に後変して特性確認を行っているところです。
300B単体の測定の結果、TA-300BはWestern Electric 300Bと比較してGm (相互コンダクタンス)がかなり高めであることが分かっています。Western Electric 300Bでの当社試験機の実測値がだいたい2900~3100中心に分布しているのに対し、今回のTA-300Bは3700ですのでかなりハイGmです。
これが何を意味するかというといえば、TA-300Bは一般の300Bよりも高感度 (ドライブしやすい)傾向にあり、内部抵抗 (rp)も低めで、聴感上はクリアでシャープネスの高い音といえると思います。
この91BはPrime 300B ver.2での測定で出力約11W@8Ω取れていますが、TA-300Bでも出力は維持されており、且つ大出力時の音の崩れが少なく、現代スピーカーをバリバリ鳴らすような目的にも合致すると感じています。今回非常に状態のよいTA-300Bが入庫してグッドタイミングでした。
そしてもう一件ご紹介するのも300Bシングルです。

SV-S1616D / Western Electric 300B仕様
この個体は先週のご開帳時はPrime 300B ver.4で出品させていただいたものですが、Western Electric 300B仕様に後変することになりました。ユーザーさんはもう一台S1616D / 300B仕様をお持ちで、今回NFBを現用とおなじ6dBに変更したうえで再測定とエージングを実施しているところです。

NF:3dB, 8Ω負荷で31dB弱のゲインをもつS1616Dですが、6dB化で理論値通りのゲイン (27dB台)になっています。結果的に闊達さよりもしなやかさが表に出る印象に変化しました。試しにTA-300BをS1616Dに挿して聴いてみたのですが、Western 300BはTA-300Bと比べると良い意味で解れていて柔らかく鳴る印象です。
同じ300Bでも異なる個性があり、その味わいを楽しむのが真空管アンプの大きな歓び。多くの方が複数の300Bで音の違いを楽しまれているのは、それだけブランドで音が違うという証左でもありましょう。
Prime 300Bでもver.2/3/4/5でそれぞれ大きく個性が異なる訳で、機会あればこれらをヴォイシングチャートにプロットして改めて解説するのもいいかもしれません。ただ現在は目の前の案件をこなすのがやっと。1年くらい前から、そのうち暇になるだろう...とタカを括っていたのですが、状況は真逆で案件がどんどん積み上がっている感じです。
3月は認定中古も大物が控えていますし、輸出もかなりのヴォリューム。さらには組立代行品も山盛りで誰か短期でいいから助けて、とお願いしたい位の状況です。ここで私がひっくり返っては何の意味もありませんのでワークライフバランス (ってナニ?という感じもありますが)に配慮しつつ年度末に向けて気合を入れているところです。