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外観では分からないこと

今日は修理案件3件。外観上は特に問題なく、今まで普通に使えていたのに調子が悪くなると心配になりますよね。そんな事例のご紹介になります。皆さんのトラブル解決の一助のなればと思い共有させて頂きます。

まずはこちら。
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JB300B 前期 (キット組立品)
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外観もたいへん綺麗で内部もしっかり作って頂いています。15年経ってこの状態をキープしているのは素晴らしいと思いますが、今回お預かりしたのは通電中のノイズが原因でした。

確認したところ真空管にも内部にも不具合はありませんでしたが、問題は初段12AX7のソケットの緩みでした。どうしても経年によって篏合が甘くなって今回のように接触不良気味となることはあります。

真空管を左右に揺さぶって改善する場合もありますが、厄介なのは揺すれば揺するほどピンの開きが悪化することが多く、触らぬ神に祟りなしという場合も多い典型的パターンです。対処としてはソケット交換という根治治療はもちろん有効ですが、千枚通し等でソケット内部の端子を内側に起こして接触を回復させる方法もあります。今回は端子整形と追いハンダで復旧しました。

続いてはSV-9T 前期です。
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SV-9T 前期 (キット組立品)

この個体は2005年式で20年以上問題なくお使い頂いておりましたが、今回お預かりして通電確認したところ左右ゲインの大きな乖離が発生していました。
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実機内部写真。しっかり作っていただいていてパーツにも過熱痕は見られませんし、電解コンデンサーの膨満もありません。真空管を入れ替えても状況に変化がないことから問題が内部にあることは間違いありませんので、詳細にチェックしていきます。

確認の結果、原因は2つでした。ひとつは入力ヴォリュームの劣化でした。パワーアンプはプリと違いヴォリュームを摺動させる機会が少なく、長期に亘って回さない状態が続くと酸化被膜が生成して固着したり摺動子が酸化したりして正しい可変動作が損なわれることがあります。

軽微な場合はアルコール洗浄をしてヴォリュームを何回もグリグリすることで直ってしまう場合も多いですが、今回はALPS 16型に交換することにしました。要は程度問題ということですね。

あともう一ケ所はカップリングコンデンサーのハンダ部の劣化でした。上の写真を見ていただくと分かりますが、SV-9T 前期は下部に電源部, 上部に増幅部というレイアウトになっていて、組立後に上下を被せてビス止めして完成となります。

恐らくですがカップリングコンデンサーが電源トランスと物理的に干渉気味で長い間押される形でストレスが掛かっていたのかもしれません。そういえばこのキットをリリースした直後、組んではみたものの蓋が閉まらん!とSOSを頂いたこともありました。小さい手配線アンプは完成後のイメージしながら組み立てることも必要ですが、今回は元々の組立がしっかりしていたこともあって、大きな問題なく復旧させることが出来ました。

最後はカートリッジです。
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トップウィング 朱雀

100万超えの高級品ですが、通常MCカートリッジは修理が出来ず多くの場合は本体交換となるところ、同社の青龍, 朱雀はMMカートリッジ同様、針交換が出来るところがユニークです。故障時だけでなく定期交換によってリフレッシュ出来るのは精神衛生的にも嬉しいところですね。
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今回は再生中の歪み音がひどいということで、お預かりしました。現物を拝見してみると、よくあるカンチレバーの曲がりやチップの脱落ではなさそうですが、よく見るとカンチレバーの角度が通常より起きているのが気になりました。

お客さんに電話して詳細を伺ったところ、針先のクリーニング時に力余ってカンチレバーに強い応力が掛かってしまったようです。ルーペで見てみると確かにスタイラス先端が内側に傾いていて針を下ろした際に盤面に対して垂直が出ない状態となることが分かりました。

カンチレバーを曲げたとか折ったというお話は枚挙に暇(いとま)なく、私も個人的に何度も経験しています。気づかない間に子供にやられたことも一度や二度ではなく、何度も涙を呑んだものですが、こういう場合は潔く買い替えるか、修理出来る場合は修理するに限ります。結果的に新品性能を回復出来るのが一番ですね。

…こんな感じで、今日は外観的には問題が検出できない不具合の対処事例のご紹介でした。分かってみるとそんなことか...と思うような事でも、その真因に辿り着けるかどうかが雌雄を分けます。

変に弄って状況を悪化させる前にご一報いただくことで結果的に軽微で済むということも多々ありますので、まずはメールで状況をお知らせ下さい。永くご愛用いただけるためのお手伝いが出来ると思います。

by audiokaleidoscope | 2026-02-23 23:59 | オーディオ

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