今日はDAC 二台のチェック。まずはSV-192Pro II / Brimar ECC82仕様から。

お客さんのお申し出はMC-3+USB使用時にhiFace入力が信号を認識しないというもの。デジタル機器はアナログ機器以上にデリケートなので、まずメーカーへ本体を送って全機能チェックをしていただいた結果、お咎めなしでした。メーカーにはMC-3+USBがないので戻して頂いた機台で当社で改めて動作確認をしているところです。

PCからの出力レートは192k / 24bit, MC-3からの供給クロックも192kで完全にロックしている状態です。澄み切っていながらアナログライクな倍音の共存した音で、個人的には十二分に満足できる表現だと感じました。結果的に不具合はなかったことが分かって安心しました。
今だから言いますが、実はSV-192PROには後継機の構想がありました。PCM 768k / 32bit, DSD 11.2Mを一台で再生するスーパーDAC構想で評価機までは出来上がっていました。確か2018年、期待に胸膨らませて評価機の試聴に臨んだのですが、当時複数名でブラインドフォールドテストを担当した全員が192Proの方が良いと判断しました。
データ的にはひと桁歪みが低く、DA後のF特は比較にならないほど広帯域な筈のニューモデルには、音の実体感あるいは質量のようなものが欠けているように感じたのです。その時、同席していた一人がこう言いました。
「伸ばせば伸ばすほど薄くなる」
そのひと言でニューモデルは一旦凍結を決断しました。その結果192Proをベースに更にアナログ面を強化したProIIを発売したのが2020年でした。業界的には今更192k / 24bitなんて何の意味がある?...的な空気があったことを否定しませんが、そんな中でもProIIはロットリリース毎に即完売し、オーディオ雑誌のレビューでも絶賛を頂きました。その時あらためて思ったのが、感覚はデータを超えるという確信です。
今日はその192ProIIの先々代に当たるSV-192Sの健康診断も承りました。高域が歪っぽいというご相談でしたが、当方環境では測定上も聴感上も異常がなく単体レベルでは正常と判断しました。デジタルは実に奥深く難しいですね。

この192SのオーナーさんはMC-3+USBだけでなく
Ref10 (10Mクロック)も併用されたハイエンドデジタルユーザーです。普通でいえば最先端のDACを使っても良い筈なのに、今でも2008年デビューの192Sを愛用下さっている、そのご期待にお応えすべくチェックを重ねているところです。せっかくお預かりしたので各種調整をやって完璧な状態でお返ししたいと思っています。

写真は近日納品予定のTU-8450 / Gold Lion ECC82, Del Ritmo Cap.仕様の組立代行品と繋いでいるところですが、とても気持ち良い音で鳴っています。MC-3 + Ref10と比べれば随分と身近な相棒ですが、ちゃんとその良さを引き出してくれているのは何とも頼もしい限りです。