最近は修理よりもオーバーホール, バージョンアップ案件の方が多い状況で、それぞれ何をどうするか個別に相談しながら進めていきます。

SV-310 + SV-91B / 組立代行 (2008年式)
まずは現状確認。真空管単体でのGmを測定していきます。そのうえで最適なバランスとなるよう、改めて真空管の位置を決めていきます。
これはとても大切な作業で、例えば車でも単にタイヤの空気圧が合っていてば良い訳ではなく、4本のアラインメントが合って初めてベストバランスになるのと同じです。日ごろ実機上での選別が重要と申し上げているのも、こういった背景あってのことです。

次いで内部確認と測定を行っていきます。この個体はキットでお求めになった状態で保管されていたものを近年私どもで組立させて頂いたもの。キットご購入は17年前ですが、パーツレベルの劣化もなく、測定データも全く問題ありません。せっかくお預かりしたので全体点検をして、予防保全的に出来る対策を行っていきます。
今回のご要望はカップリングのArizona化と銘板の更新。あとWestern 300BかPSVANE WE300Bの中古で良いのがあったら交換したいという内容でした。現時点でWestern, PSVANE WEも入荷がないので、このままで行くか、新品を奢るか改めてお客さんとご相談ですね。後日Arizona化が完了したら再度写真をアップしたいと思います。
キリがついたところでショールームへひとっ走り。ここ最近の流れは月~木が作業で金曜から週末にかけて試聴のご予約が入るパターンが多くなってきました。来月末で閉まる試聴室に最後のお別れをしたいという遠方のお客さんが増えている関係もあると思います。
今日は千葉のMさん。9月の
出版記念イベントにもお越し下さいました。Mさんと知り合ったのは数年前。”もっとはやく知っていたらと思うと本当に残念です”と仰って下さっていましたが、それは私も同じ気持ちです。

主にLPを聴きました。Mさんは50年代~70年代のレジェンドの名盤を主に楽しまれているようです。オーディオ好きにもさまざまなパターンがあり、大きく音質重視と音楽重視の方に分かれます。Mさんは明らかに後者で往年の名演奏を雰囲気タップリに楽しみたいという趣向ですね。素晴らしいです。
今日わたしが素晴らしいなあと思ったのは...Zino Francescatti (ジノ・フランチェスカッティ: 仏)でした。甘く優雅で光り輝くようなヴァイオリンの音色に魅了されました。まさに”ベル・カント” (黄金の音色)です。

10インチのMONO盤 (国内盤)。この輝かしく骨太なヴァイオリンは
ストラドの名作 ”Hart”。調べてみると現在はSalvatore Accardo (サルヴァトーレ・アッカルド)が使用しているようです。
今年でちょうど300歳のストラドが現在も健在であるというのは本当に素晴らしいことですね。音楽の電気録音と再生が始まったのが1925年と言われていますから100年余。私どものアンプはまだ30歳にも満たない若造ばかりですが、一年でも長く美しい音で音楽を奏でて欲しいものです。