セカンドオピニオン
2026年 01月 25日
皆さんも中古ショップ等でオーディオ機器を購入されたことがあると思います。購入の際、誰もが気になるのは製品の状態です。新品でない以上、何らかの劣化が生じている可能性があっても、購入店の知見と経験において不具合ポイントが修正されていることが前提で購入に至るというのが通常です。
ただ修正の結果としてどういう改善が得られたかまで開示しているお店は少ないかもしれません。昨日の認定中古をゲット下さったお客さんが、サンバレーさんは購入前に測定結果を見られるので安心感が違うと仰って下さったのは大変嬉しいことでした。
その結果は以下のミリバルの写真を見て頂ければ明白です。Lchの出力がRch (基準レベル)に対して約2.3dB低いことが分かります。

つまりお客さんの指摘は正しく、購入店の異常なしという所見とは明らかな齟齬があります。失礼かとは思いましたが先方に連絡して状況を伺ってみました。その結果、オシロで確認したがレベル差はなかった、聴感上も特に変とは感じなかったとのことでした。
そこで測定条件を伺ってみたところプリの出力を直接オシロに入力しているとのこと。それで一連の齟齬の理由が分かりました。測定時の負荷インピーダンスが適切でなかったのです。
プリはパワーアンプに接続されることで機能を果たします。ということはパワーアンプ (負荷)が接続された状態で初めて実際のパフォーマンスが発揮されることになります。その負荷インピーダンスは真空管パワーで50kΩ~100kΩ, 半導体パワーで10kΩ~50kΩ程度が標準的です。
今日の冒頭のミリバルの2.3dBの差異は10kΩ負荷時の結果ですが、試しにこのプリを1MΩ負荷で通電してみました。すると...
結果的にこのプリには実際に不具合がありました。Lchのパスコンがイモハンダで電気的に外れていた結果、電流帰還がかかってゲインが下がっていました。つまり本来は測定によって検出され適切に対処すべき事象が、不適切な測定条件によって見逃されてしまう可能性が実際にあり得るということです。
もちろん今回のお店の方が悪意であったということでなく、単に方策が適切でなかったということで、今後は10kΩ負荷で測定しますと言って下さいましたので、今後の再発は無い筈です。
セカンドオピニオンは通常受ける側にフィードバックされますが、実施側で共有することも大きな意味があることを改めて認識した今回の案件でした。

