昨日のエントリーでKS14703について書いたところ、意外な反響がありました。WesternのユニットをALTECが製造していた?...その関係性がいま一つ肚に落ちないという方が多かったのかもしれません。
今日は音響技術の歴史を振り返るとともにWestern, ALTEC, JBLが人間で言うところの血縁関係にあることをまとめてみたいと思います。少々長くなりますが、お付き合いください。まず図にまとめてみました。

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上図をベースにテキストでまとめると
Western Electric(1869設立)
AT&T / Bell System の製造部門。映画音響の基盤技術を確立し1930年代まで映画館音響を事実上独占
ERPI(1927設立)
Western Electric の映画音響ビジネス部門を分社化した販売とメインテナンスを担当
ALTEC Service Company(1938設立)
反トラストにより ERPI が切り離されて誕生したサービス会社。元技術者たちがEBO (Employee Buyout)して設立
Lansing Manufacturing(1927–1941)
James B. Lansing によるスピーカー製造会社。1941年に ALTEC が買収
ALTEC Lansing(1941設立)
ALTEC と Lansing Mfg. の統合によって誕生したブランド
JBL(1946設立)
James B. Lansing が ALTEC から独立して設立
という関係性になります。
ここで”反トラスト問題”について補足しておきますと、1930年代米国政府はAT&T / WE / ERPI が通信,映画音響を独占していると判断 (トラスト法違反)。その結果、AT&T は映画音響ビジネスからの撤退を命じられERPIをしたと売却したという関係になります。
実質的にこの時点でAT&TとWestern Electricの関係性は断絶したように見えますが、復刻版WE300Bは2000年頃までAT&Tのカンサス工場 (KC Works)で製造されており、永く不可分な関係性にありました。
こうしてみるとオーディオの歴史上欠かすことが出来ないWE, ALTEC, JBLが非常に密接で親戚のような関係であったことがよく分かりますね。 JBLの ”L”がALTECALTEC Lansingの ”L”と同じランシングさんの頭文字と知ると新鮮に感じる方も多いのではないでしょうか。
...と少々堅いお話になってしまいましたが、今日お客さんからいただいた写真で箸休め。SV-A2 × 2台で楽しんで下さっているTさんのオーディオルームです。

Tさん、有難うございました。どうぞ末永くご愛用下さい。