SV-S1616D / 300B → 多極管仕様コンバージョン
2026年 01月 11日


多極管アンプの印象は一般に音の立ち上がりが早くシャープで締まった音質と評価されることが多く、300Bのゆったりと響き豊かな表現とは対照的です。出来れば他の多極管もお試しいただいて世界に一つのマイサウンドを構築頂ければと思います。今回お客さんは、この音の変化体験を通じて初めて真空管アンプの多様な楽器性に気づかれるのかもしれません。


KS14703は基本的にWestern Electric 755Aと同一仕様と考えて問題ありませんが、KS (Kearny Specification)つまりAT&T / Bell Systemの調達・設計管理番号が与えられているAltec Service Company (のちの Altec Lansing)への製造委託品です。ずいぶん前に買ったものですが今の値段ではとても手が届きません。
KS14703が製造された頃のアメリカの音楽シーン、たとえばチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピー, バド・パウエルたちが語法として定着させたビバップや当時のヴォーカル、たとえばエラ・フィッツジェラルド, サラ・ヴォーン, ビリー・ホリデイ, アニタ・オデイと6L6系シングルは最高の相棒のひとつといえるかもしれません。まさに ”時代の音”が鳴る感覚です。
ざっくりと編んだシェットランドウールのニットにはき込まれたジーンズをコーディネートするようにフルレンジと多極管シングルを合わせる、これも真空管アンプの楽しさの一つ。日ごろ聴きなれているタンノイとは違う音の景色が繰り広げられています。
