新旧出力管を混用する際の留意事項
2026年 01月 07日

今回はKT88一本の劣化故障により片chが無音となった事例です。この場合、4本すべてを更新してしまう方法と、破損した真空管のみ同等あるいは近似グレードの代替球を手配するかの二択になる訳ですが、私どもでお客さんの負担軽減の見地から出来るだけ後者で対応させて頂いています。ただこの場合、安易に同グレードの真空管を販売して終わりにするということはなく、可能な限りアンプ本体をお預かりさせていただくようにしています。
それには理由があり、真空管は購入時点の特性と一定期間使用後の特性には必ず一定の乖離 (ドリフト)が生じており、本体ダメージの有無確認だけでなく、代替球を含めたアンプ実装状態での状況確認が非常に有効と考えるからです。
結果的に今回はお預かりして正解でした。アンプ実装状態でのアイドリング電流には大きなアンバランスが発生していました。


今回のように累積通電時間の異なる出力管を混用する場合は慎重を期す必要があり、固定バイアス, 自己バイアスの区別なく継続的, 反復的に電流状況を監視することが望ましいといえます。もし皆さんのアンプでこのような状況が発生した場合には購入店に相談し適切に対処いただくのが望ましいと思います。新旧出力管の混用は注意が必要ということですね。
