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対処の先にすべきこと

今日からフルメンバーで仕事再開となりました。最初の配送便はオーバーホール要望や修理依頼のアンプが山盛りで、年始としては過去イチの量と思われます。

暮れにお預かりした案件で未着手のものも残っており、受付順, 緊急度順に診させていただきますが、品質最優先を堅持するため、納期の面ではご迷惑をお掛けする状況がしばらく続くと思われます。手分けして無理, 無駄なく対処していきますので暫くご辛抱下さい。

今日わたしが担当したのはSV-mini91B / オールWestern仕様です。2ヶ月ほど前にオーバーホールさせて頂いたばかりだったのですが、暮れに300Bが死んだとご連絡があり、スクランブル対応し今日現品入庫となりました。
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これが入庫状態。300Bが壊れたという状況が何を示すのか、割れたとか空気が混入してゲッターが白濁したという物理的な問題なのか、通電しても増幅動作をしないのか、あるいは想定動作にならないのか...まずその見極めをしなくてはなりません。

外観上は特に異常ありません。310Aも300Bも空気混入等の物理破壊ではないことが分かりました。だからいってそのまま通電は出来ませんので、次に内部を観察していきます。
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一ケ所、問題が検出されました。Rch 300Bのパスコン(カソードバイパスコンデンサー)の防爆弁が開いています。多極管ではしばしば見受けられる事例ですが、直熱三極管でパスコンが飛ぶのは珍しいパターンです。300Bのパスコンは通常100V耐圧以上を使うのですが、一般的な自己バイアスの300BのIpが65mA程度であるのに対して100mA以上が流れた結果の耐圧オーバーによるドライアップであることが想像できます。300Bの暴走でないといいのですが...87年のWestern Electric 300Bはいまや超貴重品です。

まずこの状態で真空管をすべて当社標準球に替えて通電し何が起こっているのかを確認してみると、理論通り...つまりRchのパスコンが飛んだことで電流帰還がかかりRchのゲインが大幅に下がっています。お客さんが仰った”壊れた”は恐らくこのゲイン差を指しておられるのだと推測できました。

対症療法として当該パスコンを交換し、周辺の連鎖的故障がないか確認します。カソード抵抗値は正常で過熱痕はありませんし、ハムバランサーの挙動も異常ありません。パスコンの壊れ方を見てもガスが噴出したのみで激しい壊れ方ではないので、300Bが長時間クリティカルな状況下に置かれたことはなさそうです。

真空管を元に戻して試通電してみます。一次側電圧を70V前後まで下げジワジワと100Vまで上げていきます。300Bの赤熱が確認できたりカソード抵抗の電圧が異常値にならないかモニターしながら、何かあれば直ぐ電源を落とせるように細心の注意を払いながら様子をみていきます。
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数時間通電していますが、現状は300Bに問題は起こっておらずアンプ自体も安定しています。あるいは300Bの挿入の状態によって偶発的にグリッド (3番ピン)が接触不良気味になった可能性があるかもしれません。

アンプの故障は壊れたところを修復するのは勿論ですが、真因を特定し再発を防止するところまでが本来の仕事ですので、もう少し時間をかけて状況の観察を行っていこうと考えているところです。ソケットの酸化被膜を除去し、8時間×3クール程度連続通電して異常なければ完了予定です。


by audiokaleidoscope | 2026-01-06 23:59 | オーディオ

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