対処の先にすべきこと
2026年 01月 06日
暮れにお預かりした案件で未着手のものも残っており、受付順, 緊急度順に診させていただきますが、品質最優先を堅持するため、納期の面ではご迷惑をお掛けする状況がしばらく続くと思われます。手分けして無理, 無駄なく対処していきますので暫くご辛抱下さい。
今日わたしが担当したのはSV-mini91B / オールWestern仕様です。2ヶ月ほど前にオーバーホールさせて頂いたばかりだったのですが、暮れに300Bが死んだとご連絡があり、スクランブル対応し今日現品入庫となりました。

外観上は特に異常ありません。310Aも300Bも空気混入等の物理破壊ではないことが分かりました。だからいってそのまま通電は出来ませんので、次に内部を観察していきます。

まずこの状態で真空管をすべて当社標準球に替えて通電し何が起こっているのかを確認してみると、理論通り...つまりRchのパスコンが飛んだことで電流帰還がかかりRchのゲインが大幅に下がっています。お客さんが仰った”壊れた”は恐らくこのゲイン差を指しておられるのだと推測できました。
対症療法として当該パスコンを交換し、周辺の連鎖的故障がないか確認します。カソード抵抗値は正常で過熱痕はありませんし、ハムバランサーの挙動も異常ありません。パスコンの壊れ方を見てもガスが噴出したのみで激しい壊れ方ではないので、300Bが長時間クリティカルな状況下に置かれたことはなさそうです。
真空管を元に戻して試通電してみます。一次側電圧を70V前後まで下げジワジワと100Vまで上げていきます。300Bの赤熱が確認できたりカソード抵抗の電圧が異常値にならないかモニターしながら、何かあれば直ぐ電源を落とせるように細心の注意を払いながら様子をみていきます。

アンプの故障は壊れたところを修復するのは勿論ですが、真因を特定し再発を防止するところまでが本来の仕事ですので、もう少し時間をかけて状況の観察を行っていこうと考えているところです。ソケットの酸化被膜を除去し、8時間×3クール程度連続通電して異常なければ完了予定です。
