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あきらめない気持ち

今日で会社的には仕事納め。今年中に仕上げたかったSV-722 ver.C22ハイパーバージョンの仕上げに着手しました。経緯はこちらに書きましたが、結局足かけ三週間かけてほぼ全箇所の再配線をやり直すというリビルド案件となりました。
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結果は上々。特にカップリング変更の効果はめざましく、特にF特の改善は過去に経験のないものでした。実測値の一部を共有させて頂きます。
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高域側は-3dBレベルで400kHzに迫るもので、かつ暴れもなく見事。フラットアンプはMullard ECC83 (Holland)から特にハイゲイン球を選別し、VR9時~10時レベルでも吹き出すような音力を感じます。

このMullard 83はヴィンテージギターアンプ界隈でいま最も良いタマの一つとして大注目を集めており、来年某アーティストのレコーディングでも使っていただくことが決まっています。

722を仕上げてからショールームに移動して年内最後の試聴対応を打ち上げたのち、一件納品を終えて作業場に戻ったのが夕方。来年もよろしく!とスタッフを見送って、さあ...私もそろそろと思っていたところ、そういえばもう一件、出来れば年内にキリをつけておきたかったメンテ案件が残っていたことを思い出しました。このまま帰って休み中にやればいいか、とも思いましたが、やっぱりやろうと心に決めて取り掛かったのがこれ。
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Reference35 (密閉型ブックシェルフ 2Wayスピーカーシステム)

これは今から10年ほど前、当時Vienna Acousticのスピーカーを製造していた協力工場に製造委託したもので、透明ポリプロピレンのウーハーが非常に印象的ですが、今月入荷したこのペアはお客さんがC to Cで入手されたものの、ツィーターから音が出ないというお申し出で入庫したものです。

ツィーターの断線は主に過大入力が原因で特に瞬間的なパルス状のノイズなどが入ったストレスで飛んでしまうことが多いのですが、リプレイス用の補給パーツのストックはありませんし、正直無理かも...と思っていて何となく後回しになってしまっていました。

試通電してみると確かに片側のツィーターが死んでいます。背面のHF側のHOT / COLD間の抵抗値を測ってみると無限大。つまり完全に導通がない状態でした。この時点でお客さんには残念ながら修理不能です、と申し上げて終了と出来たかもしれません。

ただ”終わりよければ全て善し”の教えの通り、このまま完了にしてしまうと自分的にモヤモヤ感が残るに違いないと思い返し、出来るだけやってみて力不足の時は正直にお詫びしようと思い直してツィーターを外し分解してみました。
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何故こうなったかは分かりませんがHOT側の端子が引きちぎれたような壊れ方をしています。この部分は元々ファストン端子になっているだけですので、通常の応力でこのような無残なことには絶対になりません。前ユーザーさんが何かしようとして壊してしまったものを転売されたのであれば大変残念なことです。

ただ上の写真を見るとダイヤフラムからの引出線は残っていてテスターで確認したところ導通があることが分かりました。これは何とかなる!と思ってゾーンに入ってしまい、写真が撮れていませんが、髪の毛よりも細いリードに1/4W抵抗の余長リードをハンダで延長し、離断したファストン端子部分を再建することにチャレンジしました。
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これが術後の状態です。仕上でエポキシで固めて再び断線することを防止しておきます。恐る恐る端子間の導通を確認したところ無事復元!無手勝流な修理でしたが良い結果が出てくれて良かったです。
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再びエンクロージャーにマウントして昨日のSV-19Dで音出し確認中。公称能率85dB / 6Ωですが8W程度の駆動力のあるアンプであれば十分にドライブできます。
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これがメンテ完了後のF特。16kHzオーバーまで平坦な特性が得られて自己満足に浸っているところです。諦めなくてよかった...本当にそう思いました。

こんな感じで2025年も良き締めくくりを迎えることが出来ました。明日からは家と会社とお客さんちを行ったり来たり。せめて気分だけでもお休み気分を味わいつつ緊急事態に備えて出動できる体制を整えておきたいと思っています。この暮れも多くの方が働かれていると思います。ほんとうにご苦労さまです。無理せず頑張ってください。

by audiokaleidoscope | 2025-12-26 23:59 | オーディオ

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