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乗りかかった船

今日は昼から出社し昨日からの継続案件に着手。トライ―ド サプライ ジャパン時代のフォノ付プリ、VP-Phono MkIIです。来歴は定かでありませんが、恐らく2001年頃の製品と思われます。
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この当時は個別のカルテが残っておらず、当社製作品かまでの確認は出来ませんでしたが、機構締結部にネジロックがかけてあったり、ハンダの浸潤の状況も見事でプロあるいはプロレベルの方の製作品であることは間違いありません。

ただ組立マニュアルがなく、ネットにも詳しい情報がないため当時の技術誌での制作記事等を探しつつ昨日から研究していたら二日掛かってしまいました。乗りかかった船から降りるのは本意ではありません。
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基板パターンを追っていくと12AX7二本によるNF型フォノEQ + 12AU7二本によるフラットアンプ(一段反転 + カソフォロ直結無帰還)。電源部は半導体で定電圧化されています。
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Rec Outが装備されているのはユニークです。真空管はすべて交換して追い込みつつ特性出しまで完了したのですが、フラットアンプ (ラインレベル)はほぼパーフェクトであるものの、フォノ段のハムが取り切れず難儀しました。

フラットアンプ単独のゲインは約22dB, フォノ+フラットで約58dB (10k負荷)と一般的な値です。フラットアンプのF特も上は200kHz以上まで伸びていて、ラインレベル専用プリと割り切れば申し分ない仕上がりになったのですが、何故かフォノ入力のハムがやや高め (VR10時で2mV弱)。ありとあらゆるアースポイントを試してみた結果これ以上は難しいというところで一旦完了としました。

サーバーのデータを当たったところ、今から10年以上前にいちど修理した履歴が見つかり、その測定結果も今回と概ね一緒でしたので元々の仕様から外れていないようです。加えて旧知のお客さんでこのプリを20年以上使っている方が見つかり、伺ったところ、そんなに気にならないと仰っていましたので一般的には合格レベルと判断したところです。

製品には仕様 (定格)というものがあります。通常はそのデータをベンチマークして閾値をクリアしているか否かで合否判断するのですが、今回のような旧い機種では仕様が曖昧で自主判断を迫られるところが時間のかかった最大の理由です。

トライオードさんのヴィンテージ機種で、その名誉を汚さないためにも頑張りましたが、よいお客さんに恵まれることを願うばかりです。おつかれさまでした!


by audiokaleidoscope | 2025-12-13 23:59 | オーディオ

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