今日も認定中古の整備作業が続きます。まずはSV-Pre1616D 組立代行品新古から。

SV-Pre1616D / Gold Lion ECC82(3), PSVANE WE274B, ASC Cap.仕様 (Dモジュール付)

当社組立品上がりで無改造品ですので組立上, 特性上の問題はありません。ただ一点アルコール洗浄でも取り切れない摺動ノイズが僅かに確認できたので、ヴォリューム (ALPS 16型)を交換することにしました。
まずは在庫からギャングエラー (二連ヴォリュームの特定摺動角における抵抗値の差異)の最も少ないものを選別していきます。特に高抵抗領域 (=小音量位置)で問題となる場合があります。私どもの場合は1000個発注して事前に全数チェックをして時計の9時位置で1dB以上のギャングエラーがあるのは廃棄します。だいたい3割が選別落ちとなりますが、今回は合格品のなかから更に揃ったものを選んでみました。

選別が完了し先に配線を済ませておいてからシャーシに固定します。菊ワッシャを入れてしっかりノイズ対策をしていきます。

交換終了。全帯域でギャングエラー0.1dB未満となりました。実に快適です。
つづいてはmodel2。今回も要注目です。

この個体も組立代行品あがりで外観上の傷みも少ない上物です。真空管はEH 6922がついていましたが正弦波 (-10dB FS)入力時の出力電圧に左右0.3dB程度の差異があったので真空管を交換してみました。

いままではTesla E88CCとかMullard E88CCなどを使うことが多かったですが、今回未使用のEi 6DJ8が手に入りましたので、これを奢ってみました。 Eiはユーゴスラビア (セルビア)製で、旧Telefunkenの製造設備を継承して製造を行っており、前期モデルはTelefunkenの金型を流用していたため構造がほぼ同一。3つのグレードがあり、Ei, Ei Elites (エリート), EG (エリートゴールド)に分かれます。
今回使ったのは 6DJ8 EG。一般にEiは欧州的な柔らかめの音質と言われますが、この6DJ8 EGは音離れが良くキレがありクリア。チェック時にリー・モーガンのモノ音源を使ったのですが、10cmフルレンジの米松箱スピーカーから音がすっ飛んできて思わず聴き入ってしまいました。硬く薄いと言われるデジタルサウンドに未だ一石を投じ続けるmodel2。その音は20年経ったいまでも全く色褪せていません。
地味で手間のかかる作業が続いていますが、こういう細かいことの積み重ねがとても大事だと感じますし、自信をもって製品を送り出す原動力になっています。