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音出ず。その原因は?

今日はキット製作を志した人が誰もが経験したことがあるトラブル...時間をかけてやっと完成!さあ電圧を測定し音を聴こうと思って電源ONの瞬間にプシューとなった時の落胆は何ともいえないものですね。私も数えきれないほど経験しました。

今日はそんな案件のレポートです。お客さんの名誉にかけて申し上げておきますと、いずれも製作技術は秀逸で且つ組立上のミスではなかったというケースでした。では順に見ていきましょう。
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SV-8800SE / KT170, Arizona仕様 (キット組立品)

パッと見、組立代行品と見間違いそうな仕上がりです。ハンダづけも見事で逐一チェックさせて頂いても配線には何ら問題ありませんでした。結論から先に言うと、音が出ない直接の原因は電源トランスの温度ヒューズ切れ。つまり過負荷で電源トランスが壊れてしまったという事例です。

このような場合、原因はバイアス調整の過誤による過電流か、出力管の暴走が原因であると想定できます。今回アンプをお預かりする際にKT170の他に通電確認時に使ったというKT88も送って下さったので、単独で先行検査してみたのが先日のエントリーです。

このようなアンバランス + 過電流状況によって電源トランスがダメージを受け交換が必要になったというのは大変お気の毒な事例でしたが、電源トランスを替えた状態で今日からエージングに入っていますが非常に安定しています。来週にはお客さんのリスニングルームに里帰りできそうです。

次の事例にいきたいと思います。
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SV-P1616D / Gold Lion KT88, Arizona仕様 (キット組立品)

この作品もとてもキチンと組み立てられており、特に丁寧なからげ配線, ハンダの浸潤も完璧でキットの見本ともいえるような仕上がりです。

お客さんのお申し出内容は、組立後の試通電でB2デカップリング抵抗が過熱焼損したという内容でした。何度も確認したが不具合はないということでお預かりしましたが、確かに組立上のミスは見当たりません。職人さんも上記の8800SE同様、立派なモノづくりだと感心するほどの内容です。真空管にも問題がないことは確認済です。

本来は真因を特定し対策してから焼損した抵抗をリプレイスして成否を判断すべきところですが、今回は先に抵抗を交換して通電という逆プロセスで効果確認をしたところ、測定上も聴感上も問題は再発しませんでした。つまり原因が分からず、当該抵抗が焼損する原因はB2回路 (交換抵抗負荷側)がグランドと短絡状態にならないと理論的に説明がつかないことから、推定の域を出ないものの、リード切片あるいはハンダ屑等による偶発的な短絡トラブルではないかという結論です。

十分にエージングし、他に原因となる要素はないと判断し完了となりました。今日の事例に限らず、製品修理に出さざるお得ないお客さんの心情は推して知るべしですが、結果的にお客さんに何ら問題がなかったことを証明できたという点で、今回私どもも一つの役目を果たせたのではないかと考えています。


by audiokaleidoscope | 2025-12-04 23:59 | オーディオ

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