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静特性と動特性

今日は前半好調, 後半ヘロヘロな一日でした。
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最初に対峙したのがSV-310 / PSVANE WE組立代行品 (新品)の出荷検査。外観, 内部状況, 測定結果すべて合格です。

最近ブログを読んで下さっている方から”新品”, ”中古品”, ”修理品”の区別が写真でよく分からん!というご指摘を頂いたので、今後はなるべく分かりやすいように書きたいと思います。変な言い方ですが、ぱっと見、区別が付きにくいくらいのレベルに仕上がっているのかな、と思ったり...今後気を付けます。

ピーク時は年間5000件以上の出荷があって、毎日上がってくる製品をスタッフが手分けして検品し、そのデータを目で見てハンコを捺すのが私の仕事でした。盟友でもあった前任の技術担当が倒れたのが4年前の10月で、その日から否が応でも目でなく手で実際に機台に向かうことが必須となりました。

それまでは今月は何台売れた、幾ら売れたが自分の中の重要事項だったのが、それからは数でなくて一台一台納得のいく状態で送り出すことの方が遥かに重要だということを改めて教えられました。一人二役的な日々で高負荷が続いていますが、気持ち的には充実していて、永年の友を失ったことを除けば、これで良かったと思っています。

一点、自分の悪い癖があって、やりだすと納得がいくまで終われないというところがあり、効率とか所謂タイパ (Time Performance)的な発想が飛んでしまうところは、なかなか直せません。今日お昼から買取真空管の通電確認とお客さん手持ちの真空管のペアの取り直し作業に取り掛かったのですが、気が付けば夜中になっていて、それでも終わらないという状況です。

効率よくやろうと思えばチューブチェッカーに挿して指数的に選別するというのが基本ですので、精々一本数分で終わります。いわゆる静特性による選別です。対して実際にアンプに挿してみると単にチューブチェッカーでGmを診ているのとは大きく異なる結果が出ることが往々にしてあります。つまり動特性は静特性と一致しない場合があるということです。

今日更に問題を複雑にしたのは、一定程度使われた真空管に新品の出力管をアタッチしてクワッドを取り直すという作業でした。元々お客さんからは4本中一本がおかしいので、一本足してくれというお話でしたが、チューブチェッカーでGmを測定すると基本すべて揃っています。普通なら ”このまま使って大丈夫ですよ”ということでお終いだったかもしれません。

試しに実機上で動かしてみると...
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通電当初はどのタマも一見安定していますが、熱的に飽和してくるにつれIpが暴走傾向にあるのが四本中二本あることが分かりました。実験に使ったP1616は自己バイアスですが共通カソードのため、今回のケースのように静特性的にはペアでも動特性的にアンマッチという場合は片側に過大な電流が流れてアッパー側とロワー側のシーソーが水平を保たなくなりますので異常検出が容易にできます。

手持ちの代替球が新品のみで、既存球と動特性的に一致する個体を選別するのに手こずり、背番号で貼ったシールが熱で変色するくらい時間をかけてやって、ようやくこれならというクワッドを再選別することが出来ました。一部のビーム管で元々バイアスの浅い管種は自己バイアスでも平衡動作になり難いケースがよくあるので注意が必要ですね。
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同じお客さんからお預かりした GE VT4-C / 211 (買取希望品)。こちらは実機上でも一発クリアでした。いずれSV-S1628DかSV-284D / 211仕様で陽の目をみさせてあげたいと思っているところです。


by audiokaleidoscope | 2025-12-03 23:59 | オーディオ

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