今日の試聴はいつもと少し感じが違って新鮮でした。

FPGAデジタルチューナー
Conclusion C-FT100と私のTRIO KT-9700を比較して聴いてみたいというリクエストにお応えしたものです。言い換えれば由緒正しきアナログチューナーの雄と最新鋭デジタルチューナーでFM放送はどう違って聴こえるのかというテーマです。
FPGAチューナーについては改めてこちらを参照して下さい。
今日、C-FT100はデジタルアウトからSV-192PROIIに接続し192k / 24bitにアップサンプリング。且つ
MC-3+USBをマスタークロックモードで使用して最高音質を目指しました。

これがD/Aアサイン状況です。とてもFMを聴く環境とは思えませんね。それだけこのFPGAダイレクトサンプリング方式の音質は従来のFM放送の概念を覆すものです。

正確を期すために同一アンテナ線から信号入力し、出力レベルも同一として比較試聴に臨みました。プリアンプはSV-310 / PSVANE WE仕様, パワーアンプはSV-S1616D / Western Electric 300B仕様で統一し、異なるのはチューナーのみという環境です。
この両極端な2台の組合せには、一つの共通点があります。C-FT100のFPGA部を設計, 監修した人と私のKT-9700をフルオーバーホールした人が同一人物という点です。その点では両者の物理レベルの完成度は拮抗していると考えて良いでしょう。
たまたまNHK FMでベートーヴェンのバイオリンコンチェルトとハイドンのチェロコンをオンエアしていた時間帯でしたので、SV-310の入力1と2に両者の出力を振り分けて比較試聴を始めました。
…この違いをどう表現したら良いのか、適当なワードが見つかりません。もちろん優劣という言葉で比較することが適当でないのは言うまでもありません。それほどアナログチューナーとFPGAダイレクトサンプリングの描き出す世界観の違いは大きなものです。
敢えていえば、ワインとシャンパンの違い。キリっと引き締まってクリアで喉ごし爽やかなC-FT100に対して、濃厚でしっかりお腹に溜まるフルボディのKT-9700、FMで育った私たち世代にとってはKT-9700の暖色系の表現の方に親近感をおぼえますが、逆に言えばC-FT100の聴感上のSNの良さと中低域の解像度は”これが本当にFMなのか?”という感動と驚きを禁じ得ないとも言えるでしょう。
極めて客観的に言えばコンチェルトにおけるソロ楽器がオケ群から離れて浮かび上がる感覚は明らかにC-FT100の勝ちです。但しそれが私たちの知っているFMの音か?…この辺りが雌雄を分けるのでしょう。

マルチパスキャンセラーを起動したC-FT100のモニター画面。良いD/A環境をお持ちの方であれば総合力でC-FT100のデジタルアウトの音の方がより高みを狙えると言えるかもしれません。
試聴をリクエスト下さったMさんは、その場でC-FT100を注文され、KT-9700オーナーである私は忸怩たる想いもありましたが、この伝統の音を守るのも趣味の一つの形と思いながら自分を納得させたひと時でありました。楽しかったです。