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季節要因

急に寒くなって湿度もかなり下がってきました。過去8万台+の経験から冬期(乾燥期)に入って相談件数が増える案件について実例を交えて共有させて頂きます。

今回はSV-S1628、数年前の組立代行品です。先日電話を頂いて初段管を触るとノイズが出るというご相談でした。これまで問題なくお使い頂けたのであればハンダ部の熱衝撃破壊によるクラックかもしれません。

熱衝撃破壊とは熱膨張と冷間収縮の反復でハンダ部にクラックが生じることで発生するトラブルです。日ごろ出荷検査時には細かくチェックしているので、手配線アンプでこの手のトラブルは殆んど経験がありませんが、万一見落としがあったかもしれないと思い、直ぐ送って下さいと申し上げました。

品質第一ですので、届いて職人さんに全体点検を依頼したうえでダブルチェックをすることととし、万一私ども原因であれば正直にお詫びしようと思っていたのですが、職員さんから”タマのピンの汚れ(酸化被膜)による接触不良がノイズを惹起したもの。ソケットも異常なし”というレポートが来ました。
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もともとELROG 211でお使いでしたが、念のため845でも動作確認をします。シャーシの打診や真空管を指で弾いてもノイズが発生しません。ひと安心です。
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念のため内部をくまなくチェックします。製作から時間が経っていますがハンダ部の劣化は見られず、機構締結も緩みなく電気的劣化は皆無でした。JENSENカップリングの絶縁特性もOKで電解コンデンサーの膨満やフィルムのシュリンクもありません。
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結論的には今回の原因はCV4003のピンに生成した酸化被膜でした。一定程度の湿度があれば顕在化しなかったものが、急激な湿度低下によってピン表面が乾燥し、微視的に荒れて不具合が出たということでしょう。同様にヴォリューム類のガリが出るご相談が増えるのもこの時期です。

ピンの酸化被膜は無水アルコールでの拭き取りで十分ですが、それでも改善しない場合はカッターナイフの刃でピン表面を軽く研ぐ事で、より効果的な場合もあります (やり過ぎはメッキが剥がれて本格的な錆びに発展するケースもあるのでやり過ぎ注意)。

仕事柄、品質問題には非常に敏感で時々過剰反応気味になってしまいがちですが、こうして実機を確認することで問題の真因が判明し適切に対処でき、お客さんに正確な情報を提供することが出来て製品に対する信頼感を損なわずに使って頂くことが重要と考えます。こういう季節要因もあることを知っていただくことで、ご自身で問題解決できる事例が一つでも増えれば幸いです。


by audiokaleidoscope | 2025-11-12 23:59 | オーディオ

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