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共通の不具合

新たな一週間が始まって、いつもの風景に戻りました。

今日はオーバーホール2台。共通の対処項目でお預かりしたものですが、ひとつはプリメイン, もうひとつはチャンデバ...クイズみたいですが、さてこの2台に共通する問題がありました。されそれは何だったでしょうか?
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SV-2300SE / 300B仕様 (2A3 / 300Bコンパチppプリメイン)
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最初、実機をみたとき組立代行品だろうな、と勘違いしたほどの整然とした内部。ハンダの量, 溶融温度, シルエット...実に見事なモノづくりです。

依頼下さったお客さんのメールを遡ってみたらお友達に組立依頼された個体だそう。その方は既に亡くなられたということで”友人の形見のようなアンプなので、徹底的にオーバーホールして下さい”といったリクエストを頂戴しましたが、ぱっと見、外観上明らかに交換が必要と思われる部位は見当たりません。

測定もしてみましたが新品同様の特性をキープしています。念のためバイアスとハムバランスの追い込みを実施しているところですが、お客さんも指摘されていた通り、一点だけ改善箇所が見つかりました。それについては後ほど。

そしてもう一点。SV-12D (3Way チャンデバ)です。これは2021年に整備済中古として出荷させていただいたもので、上のSV-2300SEと同様、新同クラスの美品です。
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SV-12Dは何組ものハイパスフィルター / ローパスフィルター + 真空管バッファアンプで構成された複雑な機器です。5963 / 12AU7を6本装備していますが、このような真空管チャンデバは過去数えるほどしかなかったのでは、という気がします。

このSV-12Dも電気的な異常はありませんでした。ただしSV-2300SEと同じ課題がみつかりました。それはなんでしょう?...答えは”接点不良”です。

SV-2300SEでは日ごろ使う事の殆んどないゲイン(音量)レベルでガリが見つかりました。SV-12Dは非常に多機能でクロスオーバー周波数, フィルターカーブ, 位相, ゲインとさまざまな調整機能を有していますが、機器の性質上、一旦アサインが決まってしまうとツマミを触る機会はほとんどありません。試しにセレクターを回してみると或るポジションで音の途切れが生じることが分かりました。

接点は原理的に金属同士が接触している構造になっていますが、長い間そのままの状態で放置すると空気中の水分や埃によって酸化被膜が生成して接触抵抗が生じたり接触不良となることがあります。可動部分は出来るだけ定期的に動かしてみる、これはとても大切な性能維持の方策です。

完全な接触不良であれば誰もが問題と認識できるのですが、厄介なのは音は出ているが理想状態でない場合です。知らず知らずのうちに音が曇ったり左右バランスが崩れたりしていては折角の真空管機器もその魅力を十分に発揮できません。

SV-2300SEはアルコール洗浄でかなり改善はしたのですが、100%というところまで行きませんでしたので、ALPS RK27(A) 250kΩと新品交換しました。ギャングエラーもなく快適です。SV-12Dはセレクターの接点を全箇所洗浄し、基板上のコネクター(カプラー)を全てクリーニングし、信号の流れも全て途切れなくあらゆるパラメータの設定が有効に機能していることを確認しました。

今日の結論としては、”日ごろ触ってないところも時々動かして(回して)みる”ということになるでしょうか。プリメインアンプであれば使っていない入力に接続してみて音は正常か、とかプリアンプでRec Outがついている機種でPlaybackを選択した時に音がちゃんと出るか等々。

セレクターはガチャガチャ回すだけで接点の研磨をするような効果が期待できる場合もありますので、月に一回程度でも可動部分はすべて動かしてみて、音の途切れやノイズの有無を確認すると良いと思います。


by audiokaleidoscope | 2025-11-10 23:59 | オーディオ

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