人気ブログランキング | 話題のタグを見る

LINN vs SV-8800SE

今日は千葉, 福岡, 福島からのお客さん。お初の方も旧知の方も、ソロの方もご家族連れの方もいらっしゃって楽しい一日でした。

そんななかで今日は福岡(久留米)からわざわざ試聴にお越し下さったNさんのレポートをさせていただきます。もともとSV-P1616Dを6550仕様でお使いのNさんですが、何か月か前にSV-8800SEを組立代行でご予約いただいて、出力管は実際試聴して決めたいということでのご訪問でした。
LINN vs SV-8800SE_b0350085_05210486.jpg
用意した出力管は4種類。KT88, KT120, KT150, KT170です。皆さんは出力管を換えてどのくらい音が変わるとお考えでしょうか。”そんなもん変わらねえよ”という方もおられるかもしれませんね。アンプ(の動作条件)によっては差が明確でない場合ももちろんありますが、この8800SEは変化量が大きく、比較試聴の価値がある機種の最右翼だと思います。

車のエンジンにも色々なタイプがあります。SV-P1616Dはどちらか言うと低回転時のトルク重視のチューニングであるのに対し、SV-8800SEは高回転時の馬力重視タイプで、同じ多極管ppでも乗り味がかなり違います。その点でも整った試聴環境で複数の機種を複数の真空管で比較するというのは貴重な経験になったと思います。

そしてもう一つ興味深かったのが、NさんのLINNのクラスDアンプ(500W / ch)とSV-8800SEの比較。
LINN vs SV-8800SE_b0350085_05204841.jpg
当社のお客さんでLINNのシステムを併用されている方はかなり多いのですが、今日のようにパワーアンプ以外全く同じ環境で比較試聴したことは私にとっても初めての経験でした。
LINN vs SV-8800SE_b0350085_05205755.jpg
上の写真はKT170で鳴らしている時のスナップですが、SV-8800SEは固定バイアスですので簡易的にIpとアッパー / ロワーのバランスを直読できるメーターを使い最適値にアサインしつつ聴いていきます。

それぞれの出力管の個性を言葉で簡潔に表現するのは難しいですが、輪郭(エッジ)重視のKT88, KT120グループと、密度(弾力)重視のKT150, KT170グループに分かれると言ってよいと思います。

Nさんが真空管で鳴らしておられるのは試聴室の4344と同じJBLの15インチウーハーシステムですので、個人的にはKT150かKT170をお選びになるのではないかと内心予想していたのですが、最終的には中庸のKT150をお選びになり、初段Telefunken ECC802S♢, ドライブ段Mullard CV4068, カップリングArizona仕様で決定しました。

興味深かったのはNさんが仰っていた”KT150はLINNと比較して最も違和感がありませんでした”という感想。よく言われることですが、クラスDは高域の質感が粉っぽいというか、聴感上の艶やかさと伸びがないというイメージに反して今日聴かせていただいたLINNは違和感のない心地よい表現で、得難い経験をさせて下さったNさんには感謝感謝です。

こんどエレキットを訪問する機会に久留米まで伺いますので、ぜひまた音を聴かせて下さい。!今日は有難うございました。


by audiokaleidoscope | 2025-10-13 23:59 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


by SUNVALLEY audio
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30