LINN vs SV-8800SE
2025年 10月 13日
そんななかで今日は福岡(久留米)からわざわざ試聴にお越し下さったNさんのレポートをさせていただきます。もともとSV-P1616Dを6550仕様でお使いのNさんですが、何か月か前にSV-8800SEを組立代行でご予約いただいて、出力管は実際試聴して決めたいということでのご訪問でした。

車のエンジンにも色々なタイプがあります。SV-P1616Dはどちらか言うと低回転時のトルク重視のチューニングであるのに対し、SV-8800SEは高回転時の馬力重視タイプで、同じ多極管ppでも乗り味がかなり違います。その点でも整った試聴環境で複数の機種を複数の真空管で比較するというのは貴重な経験になったと思います。
そしてもう一つ興味深かったのが、NさんのLINNのクラスDアンプ(500W / ch)とSV-8800SEの比較。


それぞれの出力管の個性を言葉で簡潔に表現するのは難しいですが、輪郭(エッジ)重視のKT88, KT120グループと、密度(弾力)重視のKT150, KT170グループに分かれると言ってよいと思います。
Nさんが真空管で鳴らしておられるのは試聴室の4344と同じJBLの15インチウーハーシステムですので、個人的にはKT150かKT170をお選びになるのではないかと内心予想していたのですが、最終的には中庸のKT150をお選びになり、初段Telefunken ECC802S♢, ドライブ段Mullard CV4068, カップリングArizona仕様で決定しました。
興味深かったのはNさんが仰っていた”KT150はLINNと比較して最も違和感がありませんでした”という感想。よく言われることですが、クラスDは高域の質感が粉っぽいというか、聴感上の艶やかさと伸びがないというイメージに反して今日聴かせていただいたLINNは違和感のない心地よい表現で、得難い経験をさせて下さったNさんには感謝感謝です。
こんどエレキットを訪問する機会に久留米まで伺いますので、ぜひまた音を聴かせて下さい。!今日は有難うございました。
