今日は組立代行2台の最終検査。いずれもお客さん支給の真空管を使って仕上げていきます。

SV-EQ1616D / 東芝12AX7仕様
20本弱の12AX7から一番いい組合せを見つけてセットして欲しいというリクエストでしたが、これだけN数があると理想的な選別が可能となります。真空管の選別には静的選別(ノイズ)と動的選別(Gm, Ip等)の二つの側面がありますが、その両方を十分に満足したセットアップが出来ました。

当社製品のなかでも最も製作難易度の高い部類に入るEQ1616D。今回も熟練職人の技が光ります。しっかりエージングもして後はお客さんのお手許にお届けするだけのところまで仕上がりました。
次のお題は2021年にお納めしたSV-mini91Bの後変案件です。

お客さんから細かな依頼書とともにお預かりした300Bは...

Western 300B刻印。恐らく50年代の品物ですので、御年70歳のヴィンテージということになります。交換のきかないタマですので、慎重には慎重を重ねて本体リビルドを行い、完全な佐久間式(全段トランス結合)回路とし、真空管も含めてどこまで音質と特性を仕上げられるかに挑戦したプロジェクトとなりました。

これがリビルド後の本体内部。細部までしっかりと作り込まれていることを確認しました。

左右ゲイン完全一致。ノイズレベルも極めて優秀です。これは支給頂いた刻印300Bが良かったことにも大いに助けられていますが、なかなかこうはいきません。現在もエージング続行中で更に上を目指していきます。
こういう後変リクエストがあるのも、その音を気に入って下さっているからこそのこと。責任は重大ですが銘球に相応しい状態にまで仕上げてお返し出来ればと思っているところです。