音場パースペクティブと音像リアリズム
2025年 10月 10日





他方、今日一緒に伺ったHさんは別の角度からスーパーリアリズムを目指したアプローチでした。大瀑布を間近に見上げながら水しぶきを浴びるようなスケール感, いわゆる箱庭的オーディオを超えた音像。巨大スクリーンで映画を観た時の感動のようなものを目指して何年も掛かって一緒に作り上げてきたシステムです。
Hさんの驚きは、それは大きなものでした。こんなJBLの鳴らし方もあるのか...ウチの音と全く違う、そんな感じだったかもしれません。今日はMさんのシステムを通じてHさんがどう感じるかという場をご提供願うという目的での訪問でしたので、試聴ソースはすべてHさんが日ごろ聴かれているもののみ。予想はしていたものの、Hさんの驚き(と或る意味での戸惑い)は傍で見ていた私からも想像以上のものだったかもしれません。
この両極端ともいえる音作りのどちらが正しいとかどちらが良いということは全くありません。あくまで主体は人間であって、どの人がどんな音を鳴らしたいかというポイントにどれだけ寄り添っていけるかというのも私たちの大きな務めでもあります。
極細のペンで細かく細かく書き込んだ細密画のようなMさんの4343。対して巨大なキャンバスに太い絵筆でたっぷり絵の具を盛った油絵のようなHさんの世界。次回はMさんをHさん宅にお連れしようと思っています。逆にMさんはどう思われるか...実に楽しみです。オーディオという趣味の奥深さを感じる魂の交歓になればと思っています。
