人気ブログランキング | 話題のタグを見る

音場パースペクティブと音像リアリズム

今日は午後から久しぶりのMさん宅へ。お初のHさんと一緒にお邪魔しました。対照的な音でJBLユニットのマルチアンプシステムで鳴らしておられるHさんに”こういう鳴らし方もありますよ”という参考になればと思ってお連れしたという訳です。
音場パースペクティブと音像リアリズム_b0350085_05320649.jpg
車に簡易測定環境を積んでいたのですが、その必要をまったく感じなかったMさんのシステム。とても良い状態をキープ頂いています。
音場パースペクティブと音像リアリズム_b0350085_05320644.jpg
パワーアンプはLM91A / Western 300B仕様 + SV-284D / ELROG ER845仕様(MONO × 2, ブースターモード)
音場パースペクティブと音像リアリズム_b0350085_05320648.jpg
フロントエンドはSV-310EQ / Western Electric 310A仕様, SV-310 / Western Electric 337A仕様, SV-192PROII / Mullard CV4003仕様です。CDトランスポートは CEC TL3 3.0, FMCチューナーC-FT3000, クロック系はMUTEC MC-3+USB, Ref10 nanoという布陣。
音場パースペクティブと音像リアリズム_b0350085_05320643.jpg
カートリッジは青龍で、主にジャズをアナログで鳴らされています。
音場パースペクティブと音像リアリズム_b0350085_05320651.jpg
システムアップをお任せいただいた立場としてはMさんのお話を何回となく伺ったうえで、Mさんが求める音のイメージを自分なりに構築しながらここまで仕上げてきました。ジャズを闊達に鳴らしつつも極めて精緻で隅々のニュアンスまで伝わるような音。往年のJBLのスケール感を有しながらも、ディテールまでしっかり描き出す表現でした。目を瞑ってこの音を聴くと三次元的な音場が目の前に現れて、これが4343か!と驚かれるかもしれません。

他方、今日一緒に伺ったHさんは別の角度からスーパーリアリズムを目指したアプローチでした。大瀑布を間近に見上げながら水しぶきを浴びるようなスケール感, いわゆる箱庭的オーディオを超えた音像。巨大スクリーンで映画を観た時の感動のようなものを目指して何年も掛かって一緒に作り上げてきたシステムです。

Hさんの驚きは、それは大きなものでした。こんなJBLの鳴らし方もあるのか...ウチの音と全く違う、そんな感じだったかもしれません。今日はMさんのシステムを通じてHさんがどう感じるかという場をご提供願うという目的での訪問でしたので、試聴ソースはすべてHさんが日ごろ聴かれているもののみ。予想はしていたものの、Hさんの驚き(と或る意味での戸惑い)は傍で見ていた私からも想像以上のものだったかもしれません。

この両極端ともいえる音作りのどちらが正しいとかどちらが良いということは全くありません。あくまで主体は人間であって、どの人がどんな音を鳴らしたいかというポイントにどれだけ寄り添っていけるかというのも私たちの大きな務めでもあります。

極細のペンで細かく細かく書き込んだ細密画のようなMさんの4343。対して巨大なキャンバスに太い絵筆でたっぷり絵の具を盛った油絵のようなHさんの世界。次回はMさんをHさん宅にお連れしようと思っています。逆にMさんはどう思われるか...実に楽しみです。オーディオという趣味の奥深さを感じる魂の交歓になればと思っています。
by audiokaleidoscope | 2025-10-10 23:59 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


by SUNVALLEY audio
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30