10月から3月を下期と呼び、会社的には3月末が一年の締めということになる訳で、よくよく考えてみたらショールームもあと半年でクローズということになります。
これまで手塩にかけて自分の子供のような気持で接してきた製品をオフィシャルに聴いて頂ける場所がなくなるというのは非常に寂しいことですが、いまはまだ試聴室に入ると既に完売となった製品もすべて残っていて、まるでタイムカプセルの中にいるようなイリュージョンを感じます。ここだけは本当に昔のままです。

そんななかで今日も新たな製品が出荷されていく訳ですが、今日はSV-310のチェックをしていました。

SV-310 / PSVANE WE310A + Western Electric 274B仕様。Western 310A待ちで、良いペアが選別出来次第リプレイス予定です。

20年以上変わらないシャーシ内部。世の中は変わっていきますが、アンプと対話している時間は昔も今も全く変わりません。
そういえば、或るお客さんが”自分が元気なうちに”と仰って、私どもの製品を全て買取って欲しいと連絡があったのが半年ほど前。それから連絡がなくお待ちしていたところ、先週SNS経由でメッセージをいただきました。
”6月に全て箱づめも終わって廊下に出して送り出すだけの状態になっていたんですが、真空管アンプがなくなってあれだけ好きだった音楽を聞きたいという気持ちが失せてしまいました。スピーカーは元のままだし代理のトランジスターアンプは残してあるから音は出るのにね。
部屋に入ってレコードを漁ってソファーに座って針をおろす至福の時間がどこかへ行ってしまったのです。家内からも最近ぜんぜん音楽きかないじゃないと言われて断捨離よりも大事なことがあることに気づきました。申し訳ないが買取はやめにして、自分にもしもの時があってから家内から連絡させます。申し訳ありません。 草々” (以上 原文のまま)
私たちがやってきたのは単に音の出る機械を作ることだけはない、ということを改めて感じています。たぶん試聴室がなくなったら私もガクッとなっちゃうかも...そうならないように今から気持ちをつくっておかねばなりません。