今日とても嬉しいことがありました。都内でも最大手の中古ショップの責任者の方から機器整備についてのお問い合わせの電話があって、”そういう場合はこうしたらいいですよ”的なお話をしていた時のこと。
そのお店は国内製品から海外製品, クラスDから真空管, ハイエンドからヴィンテージまで、ありとあらゆるオーディオ製品を扱っていらっしゃるのですが、話題が飛躍して、オーディオメーカー(ブランド)と使う方の人間性に何となく相関関係があるんですよね...的な話になりました。車の世界で言うと例えばハチロクに乗ってる人, アルファードに乗ってる人, ランクルに乗って人のキャラがなんとなくイメージできることに似ているかもしれません。
自社製品中心の私どもにとっては興味深いお話であった訳ですが、”サンバレーさんの製品を使っている人は、いい意味で屈託がなく自由に楽しんでおられる方がとても多いように思います。何が駄目という否定的な感じがなくて、これも良いよね的な自由でオープンな方が多いのは、そちらの社風を分かってらっしゃる方が買ってるからかもしれません”と言われて、なんだかとても嬉しく思いました。
優劣ではなく、自分が気持ちいいと感じることが大切と思ってやってきましたが、こんな風に製品と使って下さる方のキャラクターを重ねて考えたことがありませんでした。お客さんをほめて頂けるのは良い気分です。
そういえば夕方から久しぶりの納品へ出ました。ここ何か月かずっと忙しくて、自身で納品に伺える機会が限られていたのですが、今日の案件はご注文時に”出来たらもってきてね”というのが条件だったこともあってお伺いした次第です。日ごろ聴きなれているショールームの音や自宅の音とはひと味もふた味も違う音を聴いて、自身の感覚を磨くことやお相手の感性に寄り添うことの楽しさはまさに役得と言えるかもしれません。

オーディオ専用の離れにお邪魔させていただくと、この部屋の主役、ALTEC 604-8H(1978~)が鎮座しています。アルニコ最後の世代ですね。以降の8K, 8Lはフェライトです。ひと世代前の8Gがいちばん鳴らし易いですが、8Hは良い意味でホーンらしさが明確で、聴感上のピークは2kHz~4KHz辺りでその上の帯域はブロードに減衰しており、ジャズファンにユーザーが多いユニットです。

パワーアンプはサンオーディオさんの2A3pp(無帰還)。604-8Hのような高能率で無理にFゼロを下げていないフルレンジ的ユニットでは、むしろダンピングファクターが低いアンプの方が相対的に低域の量感を得やすい傾向があるので、この選択は正解で三極管ppが最も活かされる一例の一つといえると思います。タムラのトランスを搭載していて低域, 高域ともに無理に伸ばしていない、良い意味でのカマボコ型のレンジ感がユニットにピッタリです。

ターンテーブルは三台。写真には写っていませんが、メインのプリはマッキンC22オリジナルで、今日納品に上がったSV-EQ1616DはRIAA以前のカーブで切られているLPを中心に楽しまれるために導入されたものです。
かなりの大音量で聴かせていただいた音は、ぐっと中域が前に出たジャズ喫茶のような味わい。BGM的な寛ぎを求めるというよりも音に対峙しながら演奏者のガッツを浴びるといった感じの表現でした。604-8Hは私も30年以上前に使っていたことがあるので音は分かっているつもりですが、やはり音は人なり...装置は同じでも、使う人の人間性や嗜好が滲み出るのがオーディオだといつも感じます。