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ガリオーム対策 ~SV-Pre1616D編~

今日帰宅してしばらく経ってから、旧知のお客さんから電話。今週末に仲間内で自宅試聴会をやるんだけど、昨日のブログを読んで気になったので、久しぶりにPre1616Dを鳴らしてみたらちょっとだけどガリってるんだよね。どうしよう...というSOSでした。

ガリってる=ガリオーム、つまりヴォリュームを摺動するとガサガサとノイズを発生する状態を言います。このお客さんによると数か月使使っていなかったとのことですが、別の要因として設置場所の湿度変化が激しい環境で、ヴォリューム内部の抵抗体表面に汚れが付着したり酸化被膜が生成して摺動子が動くとノイズを発する場合があります。

こんな時間で台風も近づいてるけど持ってくる?と訊くと是非とも!と仰るので、急遽自宅を野戦病院化して応急処置をすることにしました。1時間ほど経って実機がやってきました。
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これが内部。ご自身で組んだキットを数年前に手を入れさせていただいた個体です。構成はX-X-Uで整流部はダイオードモジュールという構成。
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まずは現状把握(健康診断)からスタートします。ゲイン最大(フルヴォリューム)で入力電圧を200mVとして測定してみたところ、増幅機としての特性に全く問題ないことが分かりました。
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写真では分かり難いかもしれませんが、3Vレンジで出力電圧1.2V。つまり6倍=ゲイン15.6dBで且つ左右ゲインもほぼ完璧に一致しています。二針タイプのミリバルの指針が完全に重なっているのがお分かりいただけるでしょうか。そのほかの測定項目も全て規格を満たしていることが分かりました。

次にご指摘のガリオームついて確認していきます。負荷を測定器からアンプ+スピーカーに替えて、無入力状態でヴォリュームツマミを回してみると、ガサガサといった感じの摺動ノイズがRchから聞こえてきます。レベル的には大きくはありませんが、ノイズによって興醒めになるのは何としても回避せねばなりません。

早速初めていきましょう。裏蓋を開けて患部を確認していきます。
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写真右がボリューム(100kΩ A), 左がバランス調整(250k MN)です。いずれも開放型(オープンタイプ)ですので接点の洗浄は容易です。
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使うのはアルコールスプレー。これまで何度も書いてきましたが、油分を含んだ接点復活剤的なケミカルは使ってはいけません。多くの場合、噴霧量が多過ぎて結果的に埃等を集めることとなり、状態を悪化させる事が殆どだからです。またボリューム内部のベーク板等に浸潤して素材的な劣化を惹起する場合もあります。

今回の対策の内容はあくまで洗浄であり、速乾性のあるアルコールによって接点やのカーボンや油脂汚れを除去し、導電品質を回復させることを重視していきます。ロクに洗濯もしないで芳香剤入り柔軟剤を使っても意味がありません。
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ポイントは患部にスプレーをした後です。素早くヴォリュームを何度も回転させ、摺動面の酸化被膜を除去していきます。アルコールを吹いただけでは改善は望めません。そして乾燥...今日の環境ではコンプレッサーがありませんでしたので、カメラレンズ用のブロワーで積極的に乾燥させていきます。

これを何度か繰り返したあと、再度聴感チェック。見事Rchのノイズは消え去り、快適な聴取環境が甦ってお客さんも満面の笑みです。5回くらい洗浄をして素早くグリグリ回したのが奏功した結果でしょう。

最後の仕上げとして常用レベル(ヴォリューム9時~11時辺り)での振る舞いを確認していきます。一次検査ではフルヴォリューム時は完璧であったものの常用レベルで0.3~0.8dB程度のギャングエラー(高抵抗位置でのLR抵抗値の誤差により音量レベルのアンバランス状態)が不規則に発生していたのですが、今回のクリーニングによって左右レベル差も無視できるレベルに減少しました。
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ヴォリューム位置にご注目下さい。この個体におけるユニティゲイン位置、つまり入力, 出力電圧が一致している状態が時計の11時辺りであることを示しています。ちなみにオールX7はもう少し下、オールU7ではもう少し上の位置になります。

この状態でミリバルの指針を確認してみるとフルヴォリューム時と同じL/Rゲイン一致状態が得られていることが分かります。
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昨日も書きましたが、実用状態での安定性と音質の担保が非常に重要ですので、この検査によって今回の対策の有効性が確認できたという事を申し上げて良いでしょう。但し状況によって、どれだけ洗浄してもノイズが取り切れない場合も残念ながらあります。その場合は交換しか方法はありませんので、今回は不幸中の幸いでした。

今週末のお客さんの試聴会が盛況裡に終わることをお祈りしたいと思います。おつかれさまでした。


by audiokaleidoscope | 2025-09-04 23:59 | オーディオ

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