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ベルト問題 その後

先日現下の課題であるターンテーブルのベルト問題について書きましたところ、予想外の反響がありました。このイシューに関して多くの方が何らかの解決策を望んでおられることが分かりました。

SV-1A/A2に関していえば、標準長1050㎜のゴムの調達は国内では非常に困難で、代替品として940㎜が手配できることはお伝えしました。

下の写真がその940㎜ベルトで、標準タイプと比較してかなりテンションはかかるものの数百時間の連続稼働で問題が発生することはない所までは把握できていました。
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ただこの手のゴム製品で本当の問題が出るのは時間が経過してから顕在化するのが普通で、果たして皆さんに”これで大丈夫です”とお知らせして良いものか、些か逡巡していたいました。

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これが代替ベルト940㎜の挙動。オリジナルとほぼ同様ですが、耐久性はどうでしょうか...と考えていたところ、ブログ読者さんから連絡があり、”このベルトなら1年以上使ってますけど問題ないですよ”と連絡をいただきました。

ならOK!よかったよかった。これで皆さん安心だ...と思い調達先サイトを見たらまさかの売切れ。私どもでは実験用に少量手配したのみで安定在庫には程通い状態です。この手の部材は一旦切れるとなかなか補充されないのが常で、これまで長い時間をかけて確認してきたことが水の泡のなってしまったか...と大いに落胆していたのですが...。

別の方から「私はこんなの使ってます。”シリコンゴム ブレスレット用”で検索してみて」と連絡をいただいて即日手配して今日の夕方入荷してきたので、即実験を開始しました。
ベルト問題 その後_b0350085_04492745.jpg
様々な太さがあるのですが、私が選んでみたのは0.8㎜と1㎜の二種類。寿命的には線径が大きい方が有利だと考えて1mmを使ってみます。しっとりとしていて伸縮性もあり、印象としては非常に良い感じです。
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往年の糸ドライブを彷彿させる外観に変わりました。大雑把に1000㎜強で切り出して”テグス結び”リング状にしてみましたところです。聴感はまったく問題はないのですが、結び目がモータースピンドルをクリアする瞬間に僅かに回転数が下がることが分かりました。
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大げさに言うと結び目でガクンガクンと回転数が変化している感じです。聴いて分からなければいいじゃん、と言ってしまえばそれまでですが、折角いい素材を教えていただいたので、何とかしたいのが人情。

そこで結ぶのではなく溶着してみることにしました。切り出したシリコンゴムの両端を熱したハンダゴテにつけて溶かし素早く結合させてしまおうという訳です。0.8㎜ではどうしても手先がぶれて上手くいきませんでしたが1㎜は良い感じで結合出来ました。数回練習すればうまくできる筈です。
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これが溶着版の駆動結果です。上のグラフをみて”そんなに変わってないじゃん”と思われるかもしれませんが、回転数の最小/最大のレンジを見比べてみて下さい。明らかに溶着バージョンの方が優秀です。シリコンの劣化様相とくに加水分解の有無については調査が必要ですが、私が調達したものは50m巻きで千数百円ですから、コスト的にも有利で皆さんにお奨め出来ると判断しました。

SV-A1/A2だけでなく、市場のベルトドライブターンテーブルで困っておられる方は多いと思います。大きな起動トルクが必要な場合は不適ですが、プラッターを外側から回す程度のトルクであれば十分実用になると判断しました。情報をいただいたAさん、ありがとうございました!


by audiokaleidoscope | 2025-08-18 23:59 | オーディオ

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