ふたたび戦場に復帰しています。なんとなく”現場感”が伝わってくるでしょうか。今日いちばん時間がかかったのは下の写真のSV-284D / ELROG 211仕様の検査でした。

近々納品予定のSV-300LBと一緒にエージング中です。このクラスのハイボルテージアンプは特に気をつけて確認作業を行っていきます。なんといっても内部には1kV近いDCが発生している訳ですから。

まずはお腹のなかを拝見。最初にやるのは全ネジの再締結。次いで行うのはハンダ箇所の
竹ピンセットチェック。そしてリード線の引っ張り確認。これが満点で初めて通電検査になります。

ふつうはここまでやりませんが、ワンオペ作業日に何かあってはいけないので、特に注意して作業を始めます。分厚い手袋をしてテスターのコールド側はスピーカーターミナルに締め込んで作業は片手で行う。左手から右手にズバーンと流れたら大変ですから。さらに電源部の前に段ボール防護壁を立てて万全を期します。
測定時は8Ωのダミーロードで終端して行いますが、万一なにか問題が潜んでいる場合にノイズが出て教えてくれることがあるので、壊れても構わない小型フルレンジ等で代用するのもお薦めです。ドクターが聴診器をあてて患者さんの状況を素早く把握するように、数字だけでなく耳と目も総動員して慎重に確認していきます。今日のところは要精検箇所はありませんでした。
明日からは長時間のエージングに入ります。とはいえ実質的にはアンプをつけてBGM代わりに音楽を掛けながら2~3日、自分の耳で音から健康状態を把握する...というと格好つけすぎですね。会社のお休みも後半戦に入ってきたので、頑張って仕上げていきたいと考えています。