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ひと粒で何度も美味しいPre1616D

以前から申し上げております通り、製品ご注文時に皆さんが手持ちの真空管を私どもにお送りいただいてデモ機で通電確認し、使用の可否判断が可能です。

今日もそんな事例がありました。SV-Pre1616Dをお使いいただくにあたり、自分のタマを送るので最もお奨めの真空管を選んで欲しいというご要望です。

届いた真空管は全部で20本!国内, 海外の12AX7, 12AU7が混在しています。もちろんこの中から3本を選んで、これで使って下さい”でも良かったのでしょうか、折角これだけのN数があるので、暫し思案し、なるべく全てを活かせるパターンを作ってみようと思うに至りました。
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松下, 東芝, 三菱, GE, Siemens, Tung Solの12AX7, 12AU7。幸い2本セットでお送り頂いているので、うまく組み合わせればX-X-X, X-X-U, U-U-Uすべての組み合わせを楽しんで頂けそうです。

問題は一本づつの特性確認と組み合わせ時の総合特性いずれも問題ない組合せを作ることです。チューブチェッカーでのGm確認では20本中19本が棄却値クリアであることを確認し、いよいよジグソーパズルのような組合せ作業に入ります。

選別条件としては、電気的には①左右ゲインがマッチしていること, ②残留ノイズ, 歪特性が定格以下であること, ③周波数特性が10Hz以下~100kHz以上とであること、以上3点とします。

かなりの時間を掛けてお送りいただいた真空管を漏れなく楽しんでいただくための8パターンが出来ました。ブログ読者の皆さんにも参考になると思いますので共有させて頂きます。
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この表を見ていただくと本来μ(増幅率=amplification factor)が何倍も異なる双三極管を組合せても、仕上がりゲインが大きく変わらないことが、SV-Pre1616Dの設計的な最大の特徴になるかと思います。この表には書かれておりませんが、すべての組み合わせにおいて出力インピーダンスも500Ω~600Ω程度に収まっており、パワーアンプのドライブ能力としても全く問題ありません。

これでオールX7の明快で抜けの良さ、 X-X-Uの中葉な表現, オールU7の円やかで豊かな響き全てを楽しんでいただけますね。末永くご愛用いただければ幸いです。

by audiokaleidoscope | 2025-06-05 23:59 | オーディオ

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