今日は認定中古の販売準備からスタートです。

SV-4 最終バージョン

自社製品(おもにキット組立品)の買取りと再生事業を始めて7年ほどになるかと思いますが、稀に未組立状態のキットを買い取らせていただくことがあります。そう、このSV-4は中古でなく未組立キットを私どもで組ませていただいたもの、まさにNOS(New Old Stock)なのです。
いつかこれを自分で組めるようになろう...と心に決めて大切に保管されていたのか、あの憧れのスピーカーを入手した暁にこのアンプで鳴らしたい...そんな気持ちが実現することなく時間だけが過ぎてタイミングを逸してしまった、そんな理由なのかもしれません。
不思議なもので過去未組立で買取りがいちばん(それも断トツに)多いのがSV-4です。理由は全く分かりません。梱包すら解かれておらずマニュアルもそのままで戻ってくるのは不思議なことですが、それだけSV-4が或る意味でのお客さんにとっての目標的存在だったのかもしれません。
買取りに出されたお客さんも本当は自分で組んで、自分のリスニングルームで朗々と鳴らされたかったに違いありません。私たちに出来ることは、その想いを受け取って丁寧に組み上げ、次の方にバトンをお渡しすることだけですが、これこそが私どもが絶対にうまく行かないと言われた自社キットの買取事業の最大の目的でした。今回もしっかり準備させて頂きます。
次に着手したのがお客さんからお預かりしたSV-192A/Dの真空管アップグレード。

SV-192A/D

今回のミッションはフォノ, フラットアンプ, バッファすべての真空管のMullard化。フォノ段の2本はCV4004 / ECC83, その他の4本はCV4003 / M8136です。
真空管の選別は毎回たいへんですが、今回はフォノも含めてすべてのパターンでゲインを合わせノイズを規格内に収めるのは相当の工数を要しました。試行錯誤の結果、今日やっと仕上がった感じです。

たったこれだけの数値を得るのにかなりのパターンを試しました。そのためGWに手持ちすべてのMullardを全て再測定し、ノイズチェックが出来たお陰で、やっと納得のいく結果が出た感じで、ちょっといい気分です。