休み前の大詰めのタイミングですが、品質第一で一点づつ磨き上げていきます。今日はSV-310EQ / 松に集中します。

改めて考えてみても、こんな大層なフォノイコが20年以上も続くとは想像しておりませんでしたが、いまでも”何か一台残せと言われたらこれ”と言って下さる方も多い変わり種であることは事実です。

MC / Lowポジションで70dB(約3000倍)ちかい利得をもつSV-310EQで、高SNと左右chの均質性を確保するための真空管選別は毎回困難を極めますが、良い組合せが決まった時の達成感は格別です。
そんな大仕事を終えたあとは、少し目線を変えて無邪気に楽しみたくなります。

今日、深センから届いたBluetooth内蔵の真空管プリ。送料込で8000円強というスーパープライスです。音を聴く前にざっと測定してみるとゲイン12dB, F特30Hz~22kHzでそれ以上はローパスフィルターで急峻にカットオフされているところをみるとクラスD出力かもしれません。

中を開けてみると真空管はSoviet 6H3n-Eということは2C51 / 5670同等管です。以前この手の製品を買ってみた時、真空管を抜いても音が出たのにたまげたことがありましたが、このプリはちゃんと(というのも変ですが)、真空管が動作していました。

BluetoothのほかUSB, RCA入力を備え、出力はバランス, アンバランス装備。注意すべきはACアダプターのACプラグが日本仕様になっていないことくらいで、その他に大きな問題はなさそうです。

音は真空管のそれとはベクトルを異にするものですが、片手サイズでこの機能、そしてこの価格はとても真似できません。
オーディオの面白いところは、こういうBOP製品もあれば非現実的ともいえる高級品も市場に共存しているところです。何百倍, 何千倍という価格ダイナミックレンジのなかで何を選び、どう楽しむかも私たち自身に問われています。機能なのか音質なのかあるいは存在感、あるいは別の何か...実に奥深いアートであり文化であると改めて思います。