修理という仕事
2025年 04月 11日

状況的に211/845のセレクター位置と使用出力管が合致していない状態で通電すると、定格の3倍以上のプレート電流が流れることによって起こり得る故障という事はいえるものの、お客さんのレポートから使用上の過誤はないということから、結果的に原発不明事案として可能性のある部分を全て交換していくほかないという結論に達しました。

次に実施したのがSV-192proの真空管アップグレードです。対象球はMullard M8136 / CV4003で、192系で最も実績のあるグレードアップ例です。



完全新品ゆえ数十時間のエージングが必要ですが、数時間でノイズレベルも下がり”エキスパンドモード”に振ると音の太さがグッと増してCDが非常にアナログライクな音で鳴り響く感覚です。192S / PROを固定出力でお使いの方はいま一度、可変出力(”Unity”レベル以上で出力)をお試し下さい。
詳しくはこのエントリーの後半に出てきます。
日進月歩のデジタルですが、STUDERの730シリーズやBARCO EMTの981など今でも全く色褪せないどころか、ますますその存在感を増すヴィンテージ機器が顕在です。SV-192シリーズがそうだとは言いませんが、2008年にデビューしてから17年、いまでもこれだけお使いいただけているDAコンバーターはそれほど多くないのではないでしょうか。
