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4つのM

昨日は年度末、今日は年度始め。見えない大きな境界線を越えても日々の稼業に変わりはなく、きっとこれからも変わらないと思います。

今日はメインテナンス完了品と組立代行品の出荷前点検を中心に実施しました。
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このSV-300LB / Western Electric 300B仕様はキット組立品。最高グレードの品物を自らの手で仕上げたいという方がまだまだおられることに心よりの敬意を表しつつ拝見させて頂きました。
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これは対処完了後のシャーシ内部ですが、メインテナンスをしてくれた職人さんのレビューによれば、恐らくお使いのハンダが太いことが災いしてハンダ溶融後の浸潤が不完全になった可能性があるのではないか...というお話でした。私たちが作業で使うのは0.6φ~1.0φのハンダでコテ先もかなり尖った円錐形のタイプです。

これが仮に1.2φとか1.6φのハンダだったりすると、溶融時の滴下量が多過ぎて慌ててコテ先を離すことになった結果、基板とハンダの結合が不十分な状態である懸念があります。基板の状態をみてハンダのシルエットが富士山のような形をしている場合は温度, 量ともに適切ですが、盛り上がった球形に近い箇所がある場合は、浸潤が不完全かハンダ量が多い懸念もあります。

モノづくりは何でもそうですが、道具の適材適所が必ずあります。精密ドライバーでM4ビスを締結しようと思っても十分なトルクが得られないのと同じで、よりマッチした道具あればこそ、皆さんの高い技術も活かされるという訳です。
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これは私どもで組んだSV-EQ1616D / 海外版です。このくらい混みあってくると腕と道具がマッチングしていないとパーツと配線がジャングル状態となってしまい収拾がつかなくなってしまう可能性が高いと思います。

ちなみにEQ1616Dの海外版と国内版の違いですが、電源トランスの一次側電圧が違うのは当然として、パーツレベルで言うと増幅系の抵抗が国内:ハイグレードカーボン, 海外:金属皮膜, 出力部のコンデンサーが国内:ASC, 海外:V-Capという仕様の差異があります。

海外版のパーツは代理店さんの指定によるものですが、回路的には同じでもパーツが違うと出音の傾向にかなり変化が現れます。測定上の違いは全くといっていいほどありませんが、聴感上では国内版の方が実体感やエネルギー感があるのに対し、海外版はやや細身ながら繊細で情報量に富んだ音に変化します。

もちろんどちらが優れているという事ではなく、品質はMarerial(素材), Man(ヒトの技術), Method(工程), Machine(道具)の4つのMで決まってくるんだな、と日々感じているところです。

by audiokaleidoscope | 2025-04-01 23:59 | オーディオ

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