適材適所

ずっと同じ作業を繰り返していると偶には気分を換えたくなるものです。今日は中休みを兼ねて査定依頼品のチェック。SV-2 ver.2007の通電確認中です。

この個体はGolden Dragon 6SN7, Prime 300B ver.2, Prime 845という組み合わせで入荷しました。300BをWestern Electricに替えたり、6SN7や845をヴィンテージに替えたりするだけで音色がかなり変化します。この変化こそがオーディオの最大の面白さであり魅力です。

アンプ=増幅器ですから入力された信号を美しくアウトプットする手段として、私どもは一貫して真空管という素子を選んできた訳ですが、100人のお客さんがいえば100通りの使い方がある訳で、どの真空管の組合せが良いかも含めその結果は皆さんに委ねられています。

毎日つまらないブログを書いているのも、出来れば少しでも作った側の考えや願いを知っていただきたいという想いがあるからです。

SV-2 ver.2007内部(実機)

なかには845アンプをスピーカーでなくヘッドフォンで鳴らしたい、という方もおられます。その純粋な知的興味を私どもは決して否定するものではありません。他方845パワーアンプがヘッドフォンをドライブするのに最適な回路かといえば、残念ながら必ずしもそうではありません。

最終的にオーディオの使い方はユーザーさんのリテラシーに委ねられています。このアンプに関わらず、オーディオ機器には適材適所があります。出来ることなら、それぞれのアンプの魅力が最も引き出されるような使い方をしてあげて欲しいと思います。