オトコの道具
2025年 01月 14日
例えば今日持ち込まれたJBL 88 Plus (Model L88P:1972~)もそのひとつ。

この88 Plusを診てくれと言われたのは片chの音量が半分くらいしか出ていない、というご相談から。原因がユニットなのかネットワークなのか接点周りなのかは実際に触ってみないと分かりません。仮にユニットの錆とか固着が原因の場合はユニット修理になってしまいますが、そうでない可能性も多分にあると考えてお持ちいただいたという訳です。

案の定、高域用のトリマーはジャリジャリになっていたのでアルコール洗浄してコンプレッサーで汚れを飛ばしたあとにごく微量の薬剤を塗布して接点を活性化させます。

感覚的にスピーカーで左右音量が異なるケースで半分くらいは装置由来でなく接続上あるいは接点由来の原因だと感じています。”壊れた!”と慌てる前にまず自分で出来ることを試してみることをお奨めしたいですね。


同じ300Bアンプでも個性が異なるのは当然。車でいえばトータルチューニングのベクトルが異なる訳ですから、どちらが優れているという話ではありません。ロータスエランが好きな方もいればジャガーXJ6が良いという方が居るのと同じです。
お持ちになった様々なソースで聴かれて、まず汎用の300BとWesternの歴然たる違いについては十二分に納得されたうえでS1616と91Bの表現の違いが最終的な話題になりました。海外で展開している橋本トランス仕様のS1616が丁度両者の中間的存在になる可能性が高いことを説明させていただいて、このまま行くか、橋本仕様にアップグレードするか、継続課題となりそうです。
車もそうですが、エンジンのスペックはもちろんトランスミッションや足回りのトータルチューニングで乗り味が大きく変化します。自分に最適な落としどころをみつけるのもオーディオの楽しみですから、一人一人のお客さんにとってベストなチューニングのお手伝いが出来れば、オーディオ屋としては最高の悦びです。