Western Electric 262Bの修復
2024年 12月 28日
そんななか、今日は真空管の修復もやったので写真を撮りました。管内の真空度が損なわれている場合は無理ですが、その他のケースは何とかなる場合が結構あります。なかにはこんなケースやこんな惨状も。いずれも修復できました。
今回はトップグリッド球あるある。310Aや6C6などを使っておられる方で”私もやりました(涙)”という方も多いのではないでしょうか。管頂のグリッド電極の離断です。

グリッド離断の最大の原因は取扱上の問題で、碍子製のグリッドキャップが被った状態で横方向の応力を加えることで発生することが殆どです。特に旧い真空管は接着剤が経年で痩せていますので簡単にポロっととれてしまうんですね。”わ、やっちまった!”と思っても後の祭り。泣く泣く買い直したという方も多いのではないでしょうか。でも条件さえクリアすれば案外簡単に修復が可能です。





という条件下での標準値がGm 570μmhosであるところ、今回修復した262Bとペアで購入されたもう一本とも基準値の半分(以下)のGmしかありませんでした。タイヤでいえば空気が抜けてしまっている状態です。
過去の経験からGm > 400あれば使えることが分かっていましたが、この2本は厳しいかもしれませんね。これがC to Cの難しいところ。”通電確認済”=基準性能を満たしているとは限らないからです。
今回は結果的にはあまりお役に立てなかったかもしれませんが、今後も貴重な真空管の修復には積極的に取り組んでいきたい気持ちに変わりはありません。ゴミにするのもしないのも使い手次第です。