だいぶ前のことになりますが、
シングルアンプ2台による出力倍増法=パラシングルMONO化について書きました。かなり反響があったのですが”実際どう接続するの?”というご質問も多かったと記憶しています。
今日たまたまその実例の出荷検査を実施しましたので具体的に紹介していきたいと思います。

SV-S1616D / Mullard CV4003(3) + Telefunken EL34仕様 ×2

カップリングはArizona化され、通常のシングルユースはもちろんパラシングルユースにも最適化が図れるよう、出力に16Ω端子(WBT typeをにアップグレード)を増設してあります。以前も書きましたがパラシングル接続によって
①負荷インピーダンスが変わる(8Ωスピーカーは16Ωに接続)
②プリアンプから見た2台の合成負荷インピーダンスが半分に下がる(例 100k→50k)
③ゲインが3dB上昇
という変化が生じるからです。では実際の接続法をみていきます。とても簡単です。

まず左右スピーカーターミナルのHOT / COLD間を連結します。

次に出力が2系統あるプリアンプを用意します。当社の現行プリは全て2系統出しですが、仮に1系統タイプでも分岐プラグで分けて頂いて問題ありません。
分かり易くするためにLch側のS1616Dに行くRCAケーブルを緑, Rch側を紫としています。

プリアンプのRch出力をパワーアンプ(R)のL/Rにパラ入力。

そしてLch出力をパワーアンプ(LのL/Rにパラ入力。基本これだけでOKです。

スピーカーケーブルのつなぎ方です。これはLch。

そしてRch。写真ではたまたま左側に接続していますが電気的にL/Rは連結されている訳ですので右側でも勿論構いません。
たったこれだけですが、S1616Dの音色そのままにパラシングル化することが出来ました。これにより出力18W+18W, 周波数特性6Hz~90kHz(-3dB/8Ω), ゲイン29dB(8Ω)に早変わり。注意すべきは2台が同特性であることが望ましいということくらいで基本的に背反事項はありません。
現在お気に入りのパワーアンプがあって、この音で出力を倍増したいという場合は、そのパワーアンプをお借りできればクローンをもう一台作ってパラシングル化も容易です。
いままでこの手法がこのような形でオープンになったことがあったか無かったかは分かりませんが、可逆性があり、シングル×2の
パッシブバイアンプへの転用も可能、もちろん普通のステレオシングルとしても運用も出来るという点において新鮮ではないかと思い、ご紹介した次第です。ぜひお試しください。