先月ご紹介した
輸出専売のSV-P1616D / 多極管仕様の橋本バージョンですが、国内仕様への採用のご要望が続いています。ただ昨今のコストアップから新規にロットを起こすとかなり高価になってしまうことが分かりました。
そこで暫定的措置として現在庫限りという条件で何とかなるか検討していた訳ですが、輸出仕様と同じHW-40-5 × 二個(定価73,008円)を搭載し、第一回予約受注分として5台分の枠(組立代行品のみ)を確保させて頂くことにしたいと思います。
価格は通常仕様+55,000円(税込)です。納期は2025年4月末以降となる見込みです。ご希望の方は通常の松竹梅の組立代行品いずれかを選択いただいて”お問い合わせ欄”に”橋本 HW-40-5仕様希望”とお書き添え下さい。

これは輸出用の試作品の電源トランスを100V仕様に載せ替えたものです。海外仕様はヴォリュームレスで他にも独自のモディファイが施されていますが、今回の予約受付分は国内仕様そのままで出力トランスのみ橋本にバージョンアップされたものとご理解下さい。

橋本電気の出力トランスは中低域の量感が特徴というイメージが強いですが、このHW-40-5は中高域も伸びており(145kHz / -3dB)、粒立ちも細やかで、かなりHiFiな印象です。今日は5881 / 6L6GCで聴いています。今後もこういったカスタムショップ的な限定バージョンが出来るといいなあと感じながら楽しんでいるところです。

試聴ソースはTenの”2134km”(2015)。Tenさんといってもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、これを聴けばきっと思い出す筈。
旭化成のCMでお馴染みのこの曲を歌っているのがTenさんです。
初めて会ったのが2013年2月のようですが、その後ご自宅へ遊びに伺ったり、この2134kmがリリースされた時は当時やっていたラジオ
”ようこそオーディオルーム”で1時間の特番をやったりした思い出があります。そういえば彼女も当社製品のユーザーです。現在も全国各地でライブをやっています。
この”2134km”はどうやら完売のようですが、浮遊感のあるサウンドに芯のある彼女のヴォーカルがしっかり定位する感覚で、数ある女性ヴォーカルアルバムのなかでも真空管アンプファンには強くお奨めしたいタイトルの一つです。ぜひ探してみて下さい。
…とカスタムショップ(限定企画)の説明のつもりが何だか昔話になってしまいました。音楽はいつでも自由に過去や未来を行き来できる切符のようなもの。大切にしたいですね。