チームプレーと弘法の筆
2024年 12月 11日

”たぶん次の人がちゃんとやってくれるだろう”でなく、自身の責任範囲の明確化と問題点の共有, 次工程への引継ぎ等、チームプレーが機能するための欠くべからざる要件をアンプ製作から学んで頂けたのであれば素材を提供させて頂いた者としては本望です。
年内に社内で完成披露と試聴会が行われるそう。まずは二台ともぶじ鳴っていることをお知らせしたい思います。おつかれさまでした!
次はSV-284D / バランスドシングル(MONO×2)_845仕様の組立代行品のエージング工程です。

いまから10年以上前のことですが、世界的に有名なアーティストが来日した時、終演後の楽屋で少しお話をさせていただきました。愛用する1733年製のモンタニアーナと1712年製のストラディヴァリの2台の楽器の違いについて、”ストラドは使う人と時を選びます。技量や経験だけでなく自分のコンディションも良くないと忽ち(たちまち)撥ね返されるんです。その代わり環境が整い、自分も調子がいい時はすごい音がします”...こんな事を話してくれたことを忘れません。
弘法は筆を選ばずと言いますが、道具は佳き使い手を得て初めてそのパフォーマンスを十全に発揮し得るのかもしれません。初心者がマニュアルのポルシェに乗ってもスピンするのが関の山と言った人もいますが、まさに人と道具の良きコラボレーションこそが最良の結果をもたらすのは車でも楽器でもオーディオでも同じなのでしょう。この284Dも相応しい方に末永くご愛用いただけることを願うばかりです。