Cremonaが教えてくれたこと
2024年 12月 05日
3Way4スピーカーを構成する左右計8ユニットのうち6ユニット(ミッドバスとウーハー)のボイスコイル引出線とモール線の接合部が接着剤によって酸化断線するという予期せぬトラブルでしたが、輸入元が推奨するユニット全交換を回避でき、オリジナルの音色を放棄せずに完了できたことを大変嬉しく思います。その経緯はこちらに記載した通りです。
その後、輸入元でストリング(サランネットの代わりにバッフル面にゴム系の”紐”が何十本と張られています)の張替も完了し、本日再納品となりました。

このCremonaはツィ―ターがハードドームで聴感上の音速が速いのに対してウーハーは比較的ゆったりと量感を伴って鳴る傾向ですので、上述のストリングが全体の音速感を揃え、纏める重要な役割をもっています。初期のソナスではこのストリングが伸びてダラダラになっていることもあり、多くの方が外しておられますが、基本このストリングあってのソナスであることを改めて感じました。いわゆる”トールボーイ”スタイルのスピーカーの中でも出色の存在で、持つ歓びと使う感動を両立した数少ないモデルの一つです。

オーディオに決まりはない...求められるのは機器への愛情と明確な”目指す音”のイメージ...こんな気持ちになったのもCremonaの修復に関わらさせて頂いたお陰ですね。