毎週火曜日は完成品, 修理品の出荷前点検をやることが多いのですが、現在職人さんがパンパンで手が足りないので、私も加勢に回って作業者として頑張っています。
そんななかで今日はレアケースですが、SV-Pre1616D(2018年製, 組立代行品)のヴォリューム交換をご下命いただきましたので、そのプロセスをご紹介します。

これが標準状態小型のALPS製ヴォリューム(右)です。ネット記事等でヴォリューム交換の記事をときどき見かけますが、個人的にはヴォリュームを交換して仮に音質が大きく変化するのであれば、そもそもの配線の引き廻し或いはアースポイントに改善の余地があるかのいずれかという気がします。
今回は6年経って少しガリが出始めたということでしたので、ご指定のヴォリュームがマウント出来るかの確認から始めて取付にトライしてみた次第です。

左が標準のオープンタイプ, 右が密閉型のRK27(Aカーブ)です。同じALPSでもこれだけ大きさが違い、軸の長さも違うので幾つかの事前作業が必要となります。

軸径が違うのと回り止めのピッチも違うので、シャーシをリーマーで加工します。この際切削粉が下に落ちないようにしっかり保護することが安全上きわめて重要です(写真では見えにくいですがシャーシ内をビニール+ウエスで塞いでいます)。最悪通電中に内部で短絡が起こって大事故になりかねません。

回り止めを削ってシャフトを金ノコで切って金属ヤスリで表面を滑らかにします。加工時の切削粉をコンプレッサーで飛ばしたあと、この時点で内部を
アルコール洗浄しておきます。
ここから実際に交換作業に入っていく訳ですが、マウント後にハンダ付けするのは大変なので、先に配線を済ませてから取り付けることにしました。
ゾーンに入ってしまい写真が取れませんでしたが...

なんとかギリギリ入りました。配線の冗長化を回避するためにRK27を270度回転してマウントしています。ASCのカップリングコンデンサーと干渉せずに装着できてよかったです。

これが作業完了後の内部全景です。こういう作業を自分でやっていつも思うのは、職人さんに”ヴォリューム替えて下さい”と言えば一秒で済みますが、自分でやってみると時間は勿論、さまざまな工夫と智慧が必要であることをひしひしと感じます。
何事もそうですが、自分で実際やってみて改めて気づくことが多いですね。日々勉強させて頂いている感じです。