初代SV-2PPオーバーホール

今日は最初期のSV-2PPのオーバーホール完了検査。相手が大物だけにこれだけで一日かかってしまいました。

SV-2PP初代モデル(当社出荷2003年) キット組立品

固定バイアスのトランスドライブ845プッシュプルで恐らく当社初のモノラルモデルなので個人的にも記憶に残ってます。このタイミングで再会できるとは思っていませんでした。

C to Cで入手された個体のオーバーホール依頼で入庫したものですが、ぱっと見かなりの上物。前ユーザーさんがシャーシに貼っておられたシール等からマルチの低域用に使っておられたものと思われますが、845の焼け具合から恐らく累計の通電時間は1000時間未満と思われます。
オーバーホール完了後の写真です。発売から20年以上経過しているだけあって電解コンデンサー系は多くが交換対象となりました。

その他電圧増幅段(6SF5-6N7)が前期仕様は交流点火だったのを後期仕様のDC点火に修正した結果、最大出力が5％程度アップし45W+45W, 歪率も改善して10W時0.7％という結果になりました。トランスドライブでありながら周波数特性も12.5Hz～46kHzと広帯域になって大満足。残留ノイズが前期仕様と比較して約40％減少しています。

作業終わってエージング中。管面温度約220℃×4本の燈明が灯って私の作業場は相当の暖房効果でぽっかぽか。これからの季節には暖房機代わりにもピッタリですね(笑)。