人気ブログランキング | 話題のタグを見る

GmはOKでもIpはNGだった件

今週伺ったお客さんのリスニングルームにMUSIC BIRDのチューナーが外されずそのままになっていました。”だっていつか再開するかもしれないでしょ”…と言われてグッときました。

そんなことはあり得ない、と分かっている私も気がつけば同じ。現在もFMチューナーとして使っています。他に3台もFMチューナーがあるのに。
GmはOKでもIpはNGだった件_b0350085_01492061.jpg
今日久々にあった静岡のSさんもそんな方。到着されるなり”いやあMUSIC BIRDロスでねえ...放送が終わってから一ヶ月くらいオーディオを聴けませんでした”と仰っていました。マイクの前に居た立場としては何とも申し訳ない気持ちと有難い気持ちが交錯してセンチメンタル気持ちになりました。

一時期はクラウドファウンディングで地上波へ、なんて話もあったのですが、そのバジェットの大きさにとてもマネッジできず結局は立ち消え。自分のなかでもあの9年半を振り切るように毎日ブログを書いている…のかもしれません。

そんなSさんが来社された理由はWestern Electric / 97年第四週ロットのチェック。ペアで所有している2本のうち1本がどうも調子悪いので診て欲しいというご相談でした。

早速チューブチェッカーで測定してみます。比較材料として手持ちの2006年第二四半期ロットを出してきてHICKOK KS-15750-L1でGm(相互コンダクタンス)を測ってみると手持ちの1本も含め近似値が得られました。
GmはOKでもIpはNGだった件_b0350085_01492179.jpg
両端がSさんのLOT 9752, 中央が手持ちの0626です。少なくともこれを見る限り異常はないという結論になりそうですが…。
GmはOKでもIpはNGだった件_b0350085_01492039.jpg
次にSさんの2本をSV-501SEに挿してグリッド電圧を固定してIp(プレート電流)を診てみると1本の電流値が明らかに不足していることが分かりました。

この齟齬は何を意味しているでしょうか。Gm=グリッドに与えた電圧変化に対するプレート電流の変化…といっても訳が分からないと思いますが、一概に真空管の測定といっても何処を診るか(視るか)によって結果は大きく変わってきます。詳細についてはここでは割愛しますが、三極管はIp(プレート電流), 多極管はGm(相互コンダクタンス)を重視します。

結論的にはSさんの300Bは1本劣化様相を示していることが分かりました。Sさんは他にも何ペアかのストックをお持ちなので特段スペアは必要ないのでは…と申し上げたのですが、”ないと思うとどうも喪失感に襲われて…”と仰っていたのが印象的でした。

MUSIC BIRDも真空管も無いと思うと余計に寂しさが募るのかもしれませんね。まったく同じ気持ちです。


by audiokaleidoscope | 2024-11-15 23:59 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


by SUNVALLEY audio