先輩に学ぶ
2024年 11月 14日
自社製品の再生事業プログラムを始めて数年、ときどきお客さんの組み立てたアンプを拝見して、その技術レベルの高さに感動すら覚えることがあります。今日もそんな”作品”との出会いがありました。


カルテを確認すると20年選手の機台であるにも関わらず、内部パーツや真空管の状態もほぼ新同といえるものでした。査定完了の報告とともに素晴らしい技術に対する敬意を表させていただこうと電話すると70代後半のご本人とお話をすることが出来ました。
私どものお客さんの平均年齢は60代半ば以上の方が中心。真空管全盛期を知っている方が大半です。今やタマアンプの自作派=無人島に独りで住んでいる仙人みたいな感じもなくもないですが、昔はどんな家にハンダゴテがあって、ちょっとした修理などは自分でやるのが普通でした。完成品には物品税がかかってラジオはもちろんテレビのキットもあった時代です。
いつしか世の中は大量に生産されたものを大量に消費し、結果として大量に廃棄することが当たり前になりました。その結果、地球は瀕死の状態になりつつあると申し上げても過言ではありません。
一度手にした便利さを放棄することは正直難しいかもしれませんが、せめて自分が手にしたものは最後まで大切に使い、使命を終えても次の方に託せる世の中であって欲しい...素晴らしい先輩の匠に触れて、改めてそう思った今日でした。