日々さまざまな製品が入荷し、出荷されていきます。私たちが特殊なのは、それらが20年以上経ったキット組立品だったり、他社さんの製品だったり、或いは二次, 三次の取得品だったりすることです。

これは往年の日本製高級カセットデッキ。回転系メカをもつ製品は一旦不調に陥ると修復が大変です。ネットをみると怪しげな民間療法的対処がそれらしく書いてあったりしますが、一つ間違うと更に状況が悪化して取り返しがつかなくなることも。

以前にも書いたことですが、餅屋は餅屋ですから、この手のメカ物はその道のプロに託すのが一番です。適切なメインナンスをお願いする前に状況をしっかり把握して、どの辺りがおかしいかの記録と一緒に転送します。
製造から30年以上経っていてパーツがなくて修理不能というケースもありますが、依頼主さんと同じ気持ちで出来る限りのことをさせて頂きたいと思っています。

これは今月の認定中古で販売するSV-2 ver.2003。整備を完了してあとは出荷をまつばかりですが、今日は完了機台を使って新しく入ったPSVANE WE211のエージング用に通電しているところです。

このマニュアルは買取時に添付されていたもの。各ページにびっしり書き込みがされていて、お客さんが購入当時、頑張って作ってくださった機台であることが、ひしひしと伝わってきます。購入から15年以上経過しているアンプは、買取代金と同じか或いはそれ以上のメインテナンス費用がかかるものも多いですが、このマニュアルに託された想いも含め、預かった責任をしっかり果たしていきます。

このSV-P1616D / Gold Lion KT88仕様も買取品ですが、外注さんに出す前に対処すべき課題を洗い出し中です。恐らく整備完了までに一ヶ月程度はかかると思いますが、自社製品については誰よりもよく分かっている私たちでしか出来ないメインテナンスを実施し、再販できる日までしっかりお預かりさせていただきます。
形あるものはいつか必ず壊れる、とはよく言われることですが、その”いつか”をどこまで延ばせるか…これも私たちの重要なミッションの一つです。