今日は私の作業場の引っ越しで結構クタクタに。いままではスタッフと一緒の大部屋だったのですが、隣の個室に移動。身辺整理よろしく仕事道具一式を移設して測定器がぶじ動作することを確認しました。

測定というのはかなりデリケートな作業で、測定器の位置関係を変えるだけで測定結果が微妙に変化します。特に信号ラインがスイッチング電源の近傍を走るだけでノイズ測定系に大きな差異(悪化)が見られるので、何度も並び替えをして影響が最小限になるレイアウトが決まってホッとひと息。
新作業室の初仕事は2003年にセットで納入したSV-722_type M7とSV-275のオーバーホール。

SV-722はフォノ系の真空管(12AX7 × 3本)を交換してSNとF特の改善。

Line入力時のF特。10kΩ負荷という厳しい条件下でも10Hz~100kHzまではフラットレスポンスです。プリアンプはリニアリティが重要ですから、これがあるべき姿といえます。

Phono MM入力時のF特。これは絶対値でなくRIAA規格との偏差を示しています。日本オーディオの逆RIAAフィルターを使って測定しています。Marantz 7と同定数のNFイコライザーですが、真空管を替えるとかなり変化するので慎重に選別しました。

SV-275は電源πフィルターのケミコン更新と熱硬化したワイヤーの再配線。真空管はすべて規定エミッションが得られていたもののゲッターの減少が確認されたドライバー部(EL84三結 × 3本)を新規交換して音もリフレッシュ。設計時の想定F特(7Hz~125kHz / -3dB)を回復しました。

NF深めの多極管アンプの典型的F特です。
一昨日のエントリーと併せてこのグラフを見ただけでSV-275の音質の想像が出来ると思います。このF特で仕上がりゲイン35dB / 8Ωですから、いかにSV-275がアグレッシブな音作りをしていたかが分かりますね。
こんな感じで帰宅。今日は少々調べものがあり勉強中です。1976年、小学校六年生の時に親を拝み倒して買ってもらった
クーガー2200で短波放送を聴きながらリラックス。今日は「ベトナムの声 (Voice of Vietnam)」と思しき局が受信できました。

BCLも奥が深くて楽しいですね。いまは海外局もネットに移行していますが、敢えてラジオで聴くのも雰囲気タップリで乙なもの。秋の夜が更けていきます。