今日も昔話です。夕方”SV-501SEを試聴できますか?”という電話が入りました。
デモ機は残してありますので、もちろん大丈夫ですよ、と申し上げたところ、”知り合いに300Bアンプを使ってみたいと相談したところ、サンバレーの501SEを聴いてみろ”とアドバイスがあったとのこと。10年近く前に製造が終わっていることをご存じなかったようです。
501SEは2003年デビューで10年以上、第一線で頑張ってくれた300Bシングルでしたが、メーカー廃業に伴い残念ながら販売完了になりました。もともとは1996年販売開始の
M-501をベースとして企画したアンプです。
SV-501SE (2003年頃~) ※終売
M-501は6AN8-300Bという構成でMJ無線と実験誌に掲載されているのを見て興味を持った機種でした。98年にこの業界に仲間入りすると同時に取扱いを開始させていただきました。
その後、メーカーからコスト的に厳しく継続が困難なのでディスコンにしたいと連絡をいただいた際に、当社別注モデルとして存続させることにしたのがSV-501iです。
この段階では初段はまだ6AN8でした。その後、市場で6AN8の調達が困難になってきた段階でこのアンプを存続すべきと判断し再設計を行ったのがSV-501SEであったという経緯です。
当時エレキットでTU-870(6BM8シングル)というアンプがありました、出力2Wのミニアンプでしたが、そのニュートラルな音質を活かしつつ出力を8W程度までアップできないかと考えて501のプラットフォームに落とし込むことを思いつきました。簡単に言えば6BM8シングル+300Bブースターという考え方です。
Western Electric 171Aに範をとった一次側2.5kΩの出力トランス, 2巻線のチョークによりチャンネルごとに電源を供給。B電圧遅延リレーで300Bを保護するとともに501伝統の固定バイアスを踏襲しメーターで常時Ipを監視しつつ異常時の過大電流から出力管を保護するために各チャンネルにDC FUSEを配置する形式も温存することにしました。
その結果、市場で高い評価をいただくこととなりネット上でSV-501SEユーザーの会的なフォーラムが立ち上がるほどの人気機種となりました。
…あれから約10年、SV-501SEは過去の製品となった訳ですが、今でもその名前を記憶してくれている人がいることを大変嬉しく思った今日でした。いまでも恐らく1000台以上の501ファミリーが稼働していることと思います。末永くご愛用いただきたいと思います。