皆さんの愛機を買い取らせていただいて数年になりますが、いつも一番悩むのは再販にあたってどこまで手を入れるか?という点です。「製品の説明文にメインテナンスとリビルドという文言が区別して使われているが、何がどう違うのですか?」という質問をいただくこともあるので、今日はそのガイドラインについて説明します。
「メインテナンス」は当社組立代行品あるいは上級者のキット組立品で、基本的に既存の配線を温存しつつパーツレベルの更新と配線の手直しを行い、必要に応じ真空管をリニュアルしたものです。
対して「リビルド」は現状動作していても経年劣化あるいはその他の理由で一旦解体して再組立が妥当と判断される場合の処置です。シャーシ内のパーツ,配線は一旦除去され、状況によってトランス, ターミナル類も外して再締結する場合もあります。多くの場合真空管も交換され、カップリングコンデンサー等がアップグレードされる場合もあります。
これはJB300Bリビルドの具体例です。買い取らせていただいた時点で動作自体は正常でした。カンファレンスを実施し次のお客さんに安心していただく為にはメインナンスレベルでは不十分と判断されたため、職人さんに解体再組立の指示を行いました。上の写真はパーツを外している途中の状況です。
これがリビルド実施後のシャーシ内の状況です。ブリッジダイオードとケミコンの一部を新品交換し、カップリングは製品販売当時の定番であったJENSEN錫箔に交換しています。
なぜこんな手間をかけてまで自社製品の買取, 再生を行っているかについては改めて以下のエントリーを参照して下さい。単なる転売目的の事業ではないことをご理解頂ければ幸いです。