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16年点検

今日は2008年当社組立のSV-310とSV-38Tのオーバーホール完了検査と納品でした。
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15年くらい経つといろいろ問題が顕在化するのが普通ですが、この個体は自然劣化による電解コンデンサーの容量低下が見られた程度で、その他はピンピンという状態でした。真空管も交換不要です。
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お客さんに”あまり使ってない感じですか?”伺うと”いやいや日々聴かせていただいてましたよ。ただ一日何時間も点けっぱなしにはしないようにしたし、ヒーター用電源を入れてからメインスイッチをいれるまでの時間を1分以上とって真空管にやさしい使い方はしたつもりです”とのこと。

パワーアンプだけで左右重量70kgという大規模なセットで、845プレート電圧950Vオーバー, 300Bと845の間はインターステージトランスでカップリングした巨艦パワーアンプ。おそらく一般的に10年以上経過した場合のメーカーオーバーホールとしては真空管とコンデンサーは全交換(あるいはサポート切れ)というのが常道だと思いますが、私どもでは手間ですがLCR計で個別的にパーツの状態を確認し、生きているパーツは温存する方針ですので、メンテ費用もそれほど掛かりません。同じ部品がある場合は別ですが、CRが替わる=音も変わることを最低限に抑えるためです。

実は同時にお預かりし、現在輸入元へ送っているイタリア製高級スピーカーのオーバーホールはツイーターを除く全ユニット交換で、且つユニットは当時ロットが残っていないので現ロット品に交換という内容の非常に高額な見積りが来ました。

お客さんから元の音が気に入っているのでユニット交換はしない、出来れば私どもで復旧を試みて欲しいと依頼を受けました。恐らくボイスコイルからの引出し線の酸化による断線ではないかと思いますので、ちょっとチャレンジングですが私どもで復旧を試みることにしました。

信頼いただけるということは同時に大きな責任が伴いますが、ひとつひとつの経験が自身のスキルアップに繋がると信じて頑張ってみようと思っているところです。

by audiokaleidoscope | 2024-09-06 23:59 | オーディオ

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