16年点検
2024年 09月 06日
パワーアンプだけで左右重量70kgという大規模なセットで、845プレート電圧950Vオーバー, 300Bと845の間はインターステージトランスでカップリングした巨艦パワーアンプ。おそらく一般的に10年以上経過した場合のメーカーオーバーホールとしては真空管とコンデンサーは全交換(あるいはサポート切れ)というのが常道だと思いますが、私どもでは手間ですがLCR計で個別的にパーツの状態を確認し、生きているパーツは温存する方針ですので、メンテ費用もそれほど掛かりません。同じ部品がある場合は別ですが、CRが替わる=音も変わることを最低限に抑えるためです。
実は同時にお預かりし、現在輸入元へ送っているイタリア製高級スピーカーのオーバーホールはツイーターを除く全ユニット交換で、且つユニットは当時ロットが残っていないので現ロット品に交換という内容の非常に高額な見積りが来ました。
お客さんから元の音が気に入っているのでユニット交換はしない、出来れば私どもで復旧を試みて欲しいと依頼を受けました。恐らくボイスコイルからの引出し線の酸化による断線ではないかと思いますので、ちょっとチャレンジングですが私どもで復旧を試みることにしました。