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LPの静電気を除電してラッカーライクなサウンドを

今週も話題がいろいろありましたが、個人的に一番のトピックはこれだったかもしれません。
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きっかけはお世話になっている先輩から、”青龍を使ってるんだったらコレ試してみたら”と勧めて頂いたのが、この”Static Eraser”なるもの。ネット情報では除電系アクセサリーのようで、除電ブラシ等や拭き取りクリーナーでは取り切れない静電気を大幅に減少させる効果があると謳われています。アマゾンで購入可能です。

Static Eraser メーカーホームページ
取扱説明書
Amazon販売ページ
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パッケージ背面です。シェルとアームの篏合部に挟んで使用するもので、カートリッジを直付けするストレートアームには使用できません。本当に効果あるのかな…?
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箱を開けるとショート(15mm)とロング(17mm)の2タイプが入っていました。針を下ろした時に出来るだけ盤面とEraserの下端部が近接する方を選択します。青龍はハウジングの厚みがありますのでロング一択。
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シェルリングがついている場合は取ってから装着します。使用前はイメージ的にカーボングラファイト的な素材なのかなと思っていましたが、かなり弾力性のあるゴム系素材でカートリッジのダンパーゴムの製造元として実績のある東商ゴム製とのこと。
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装着して針を下ろしたところ。アームの高さ調整はまだしておらずレコードも回っていませんが、この状態で盤面とのクリアランスは約4mmです。ちなみに私の環境ではEraser追加で針圧が0.06g程度上がりましたので再調整しました。
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横からみたところ。取説では”再生中に発生した静電気をトーンアームへ効率的に逃がす”仕組みと書かれていますので、出来るだけEraserの下端部を盤面に近づけたいところですね。2mmくらいはアーム高を下げられそうですので試してみます。
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メーカーホームページに掲載されている除電効果の概念図。「レコード再生中に発生する静電気を数千Vから100V以下に」低減できると書かれています。上図でいえば薄い緑が使用前(帯電状況)、濃い緑がEraser使用後(除電後)の状況を対比したものですが、どうやったらこの比較ができるのか興味があったのでメーカーサポートに電話して伺ってみました。

説明ではStatic Eraserはスタイラスチップと盤面の摩擦によって発生する静電気を減少させるもので、治具でプローブを固定しチップの先端電位を測定したとのこと。出来れば当方環境でも追試したいと考えて具体的な実験環境を訊いたところ、春日電機(株)のデジタル低電位測定器で測定したことが分かりました。残念ながら当方ではあまり使途がない測定器なので購入は諦めましたが、サポート担当の方の説明が感覚的でなく、定量的検証に基づいていることが分かりましたので、上図を含めた商品説明の客観性は高いと感じました。

プラシーボにならないよう理屈も頭に入って、いよいよ試聴に入ります。
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ソースは先日ご紹介したMixer's Lab SOUND-Series Vol.4。この超絶ダイナミックレンジとピラミッドバランスの帯域感がEraserにとってどう変化するでしょうか…。
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結論から先に言いますと、これによって音質が向上するというより、スクラッチノイズ(パチ音)と低周波サーフェスノイズ(暗騒音的なトレース音)の減少によって再生音の品位が格段に上がるという理解が正確だと感じます。例えていえばラッカー盤の音を聴いたことがある方なら分かる、あのしっとりとして頭打ち感のない極めて自然な音に近づく感覚でしょうか。

演奏中に耳障りな”パチ”音に辟易したという経験は誰にでもあるものですが、これが溝の塵芥類が原因と思っておられる方も多いと思います。しかしその多くはスライラスチップが溝をなぞる際に発生する静電気の放電音だったと気づく方も多いでしょう。

高域~超高域の音の荒れが減少し、聴感上の音の滑らかさが向上するとともに聴感上の音の重心が下がるStatic Eraser。ラッカー盤のような上質なサウンドを目指してみませんか。

by audiokaleidoscope | 2024-08-31 23:59 | オーディオ

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